ダイエットを成功に導く活用法も紹介!意外と知らない「体組成計選び」のポイント
春に向けてそろそろ本格的にダイエットを…と思う方も多い時期。ダイエットに欠かせないのが、身体の変化を数値で知ることのできる体組成計です。けれど、体組成計と一口に言っても機能や価格帯は幅広く、自分に合った一台を選ぶのには迷うもの。そこで今回は、体組成計の選び方や活用法について、体組成計を販売するオムロン ヘルスケア株式会社のマーケティングご担当者にお話を伺いました。
実測値じゃない!?意外と知らない「体組成計の仕組み」
ーーそもそも、体組成計では何が測れるのでしょうか?
体組成計は、筋肉や体脂肪、内臓脂肪、骨などの身体を構成している項目の値を測ることができます。計測方法をお伝えすると驚く方も多いのですが、体組成は基本的に推定して表示している数値です。
体組成計は、”脂肪は電気を通しにくく、筋肉や血管など水分の多い組織は電気を通しやすい”という性質を利用して、体に微弱な電流を流し、「抵抗値」と呼ばれる数値を計測します。体に流す電流は非常に微弱ですので、ビリビリと刺激を感じるようなこともなく、体にも安全です。
弊社をはじめ、体組成計メーカーは数多く集められた詳細な身体の基礎データを元に推定式を作っています。抵抗値、身長、体重、年齢、性別の5項目と推定式を用いて、測定した人の体脂肪率や骨格筋量、基礎代謝などの体組成の数値を算出しているんです。
お客様から「他メーカーの体組成計で測ったら体脂肪率が違った」といったお声もいただくのですが、違う数値が出てしまうのはメーカーによって元になる推定式が違うからです。どちらが正解ということはなく大切なのは経過を見ることなので、その差はあまり気にせずお使いの機器で継続的に測っていただくのがいいかなと思います。
価格の差は「アプリ連携機能の有無」にあった!
ーーさまざまな機能や価格帯の体組成計が販売されていますが、自分に合った体組成計を選ぶポイントを教えてください。
価格帯はスマートフォンのアプリ連携機能があるかないかで大きく変わってきます。なので、まずは体組成をアプリで管理したいかどうかを考えるのが最初のポイントになるかと思います。
アプリ連携機能は、計測した数値が自動でアプリに転送され、体組成の変化をグラフで継続的に記録できるのがメリット。グラフ化することで、ただ数値だけを見るよりも変化を実感しやすくなります。年間での変化もわかるので、夏バテや冬に増えやすいなどの季節に応じた自分の傾向や変動が把握でき、数値に変化があった時に許容範囲かどうか、柔軟に判断できる良さもあります。アプリ連携機能付きだと、大体5000円から1万円くらいからの価格でしょうか。
そもそも記録する必要がない、記録するにしても手入力で数値を実感したい方などは、概ね5000円以下で購入できるアプリ連携のない商品を選んでいただけたら良いかと思います。
より正確に測るコツとは?
ーー価格の差がアプリ連携機能にあるとは驚きでした!アプリ連携以外で価格に差がある場合は、計測項目に違いがあるのでしょうか?
体組成として測れる項目について、みなさんがよく気にされる体重と体脂肪率はほとんどの製品で測れるので、あまり大きな差がない場合が多いです。あとは、どの程度正確に測りたいかによってタイプが分かれるかと思います。
身体の部位別で測定したい場合におすすめなのが、両手両足で測定する全身式のです。腕やお腹、脚などの強化しているポイント別に測れるので、ボディメイクをされている方などに向いています。
また、全身式のタイプは計測タイミングによる数値の変動がほとんどないという特徴があります。実は、両足だけで測定タイプの場合、測るタイミングが重要で、計測時間帯によっては体脂肪率も変化する場合があるんです。
夜になると足が浮腫むことがありますよね。体内の水分は起床後時間を追うごとに下半身に集まる傾向があります。両足測定タイプの体組成計は下半身を中心に電気抵抗値を測定しているので、夕方に両足測定タイプで計測すると電気が流れやすい状態になって、体脂肪率などが1.5〜2%ほど下がって測定されてしまいます。一方、全身式のタイプは、上半身と下半身それぞれの電気抵抗を合わせて全身の値を推定するので、時間の影響なく正確に計測することができます。
いずれのタイプで測る場合も体組成の変化をより正確に知るには、毎日同じ時間帯に測ることがポイントです。
ただ、ボディビルをされていたり、スポーツで生計を立てていらっしゃったりすような方だと、一般の方と体の組成が違うので、体組成の数値は参考値になります。もしそういう方がより正確に測りたい場合は、アスリートモードのある体組成計や、ジムに設置されている業務用を活用していただけたらと思います。
ダイエット成功の秘訣は毎日体重計に乗ること!
ーー業務用の体組成計があるのですね!ではダイエット目的で使用するならどんなポイントが大事でしょうか?
オムロンコネクトアプリのユーザーの傾向を調べたところ「週6日以上測定していた人は、平均週2日測定していた人より減量幅が大きい」ということが分かりました。体組成計に乗るだけでは痩せませんが、乗る頻度が高く経過をオムロンコネクトで記録している人の方が減量幅が大きいことがわかっています。なので、ダイエットしたい方は、まずは毎日乗ること、それをルーティン化することを目指していただけたらと思います。
知りたくないと恐る恐る体組成計に乗っている方もいると思いますが、毎日の計測を当たり前にすることで心の負担を減らせれば、体重を楽にコントロールしていただけるのではないでしょうか。
毎日測る上で重要な「デザイン」と「サイズ」
ーーなるほど、毎日測るとなると継続するモチベーションが重要そうですね。
そうですね、そのために使いたくなるビジュアルからモチベーションを高めるのも良いかと思います。ご家庭によってはリビングに置く方もいて、インテリアを気にされていると「置くことで生活感が出てしまう」というご意見も。そういう方には、ボタンや表示画面がないガラスの天板を使ったデザインですと電子機器っぽさを感じない見栄えで置きやすいと思います。
全体が黒いスタイリッシュなデザインの商品は、黒物家電で揃えていらっしゃる方から「部屋のトーンに合わせて置ける」と好評をいただいています。他にも人気キャラクターが描かれている商品もあるので、見た目の好みで選んでいただくのも良いかと思います。
あと、意外と見落としがちなのがサイズですね。あまりコンパクトなものですと、測定には問題ありませんが、特に男性は足が結構はみ出てしまい使いにくいと感じる方もいらっしゃると思います。逆に、全身式タイプは本体の幅が30センチほどとやや大きく、腕を身体の前に伸ばして計測するのでスペースが必要です。狭い洗面所や壁側に寄せての設置が難しい場合もあるので、購入前に生活動線や置き場所をイメージして見合ったサイズを選んでいただくことも重要ですね。
見逃されがちだけど着目したい「骨格筋率」
ーー最後に、意外と知られていない体組成計の活用法があれば教えてください。
体重や体脂肪に着目される方が多いかと思いますが、ぜひチェックしていただきたいのが「骨格筋率」です。骨格筋とは体を動かすための筋肉で、運動など自分の意思で増やすことができます。筋肉を筋肉量で見ると一見わかりやすいのですが、減量すると筋肉量も減るので、ダイエット中は「筋肉が落ちてしまった」と感じやすいんですね。なので、減量している人は筋肉量ではなくて、体重あたりの骨格筋の割合を見る「骨格筋率」が維持もしくは増加しているかを確認いただくのをおすすめします。
骨格筋が増えれば、基礎代謝が上がり、エネルギーを消費しやすくなるので、骨格筋率を下げないようにすることでより太りにくい体質になります。骨格筋率は日々大きく変わるものではありませんが、変化した時に気づけるように月に一回くらいは着目していただくと良いかと思います。
また、一般的に筋肉は加齢とともに減少する傾向にあります。特に運動不足を感じている方は、長く健康でいるために、骨格筋に着目してみていただきたいです。
このような変化も記録をしていないと気付けないので、せっかくお金をかけて購入していただいたのであれば、できれば毎日測ってアプリ連携で推移を見て、健康的な身体作りを目指していただけたらと思います。
※体組成計製品の参考情報はこちら
取材・執筆/小菅 祥江
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