プリン体 とは

プリン体といえば、摂り過ぎると痛風をもたらすというイメージがあります。しかし、プリン体は、わたしたちのカラダのなかで作られる成分でもあり、食品にだけ含まれるというものではありません。プリン体とはどんなものなのかを知り、上手にコントロールしましょう。
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プリン体とは?

遺伝情報をつかさどる核酸の原料となるのがプリン体。生命活動が続く限り体内で作られるプリン体は、あらゆる生物の体内に存在するため、ほとんどの食品に含まれています。
プリン体は、最終的には尿酸となって排泄されますが、調整のバランスが崩れてしまうと、尿酸過剰となって高尿酸血症・痛風の原因となります。

プリン体のできる仕組み3パターン

1.新陳代謝によって生成

細胞の新陳代謝で古い核酸が分解されるとプリン体ができます。

2.体内でエネルギーを作り出すときに生成

体内にはエネルギーの貯蔵や利用に関わるATPという分子が存在します。ATPは、息が切れるほど激しい運動をすると消費され、プリン体を経て尿酸へと変わってしまいます。

3.食べ物から摂取

プリン体は主に細胞の核酸に存在します。そして、肉・魚・野菜といった食品も、細胞からできているので、プリン体が含まれています。なかでもプリン体が多いのは、レバー・あん肝・白子など、動物の内臓にあたる食品です。

プリン体ができるには、上記のように細胞内で生成されるルートと、食事から作られるルートがあります。
生成されるプリン体量は、食事から作られるものより、細胞内で生成されるものの比率の方が多く、プリン体を含む食品を厳しくカットすれば痛風にならないというわけではありません。

プリン体が過剰にならないようにするポイント5つ

1.適切な体重を維持する

肥満があり尿酸値が高い人は、減量することで尿酸値が正常に近づくことが分かっています。減量は、すでに痛風を発症している患者さんの治療の基本でもあります。
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2.バランスのよい食事をとる

偏食を避け、年齢や活動量にあった適切なカロリーの食事を摂ることが大切です。プリン体の多い食べ物ばかり食べていたり、食事の量が多すぎたりすると、プリン体の摂取量が多くなってしまうためです。

3.プリン体の摂り過ぎを避ける

プリン体はカラダの中にも存在しているので、完全にカットする必要はありません。ですが、プリン体を含む食品を食べ過ぎないようにするのがベターです。「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、1日のプリン体摂取量が400mgを超えないようにすべきである示されています。例えば、レバーの焼き鳥3本ほどでプリン体は300mg近く摂取してしまうことになるので、カシコク食品を選ぶようにしたいものです。

4.アルコールは控えめにする

アルコール飲料は、それ自体にプリン体を多く含んでいなくとも、体内でのプリン体生成を促進し、尿酸の排泄を抑える作用があります。さらに、から揚げ・お刺身・焼き鳥などプリン体の多い動物性食品をおつまみにすることも多くなりがち。
アルコールの作用で食欲が増し、肥満になる可能性もあります。お酒は、ほどほどを楽しむようにしましょう。
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5.水分を十分に摂る

プリン体から作られる尿酸を体外に排出するためには、1日の尿量が2リットル以上になるようにすることが理想です。したがって、毎日2リットル以上の水分を摂るようにしましょう。このとき、お酒・清涼飲料水を水分の供給源とするのはNGです。水かお茶などを選んでくださいね。

他にも、ウォーキングのような軽い運動をすること、精神的なストレスをうまく緩和することも大切です。

 

プリン体は水に溶けやすい性質があり、鶏ガラスープや豚骨スープなどにも溶け込んでいます。ラーメンのスープなどは残すようにしましょう。塩分の摂り過ぎを防ぐのにも役立ちます。

 

【参考・参照】
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版

【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

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