更年期症状の緩和や美肌効果も!女性の味方「エクオール」とは
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをし、更年期症状の緩和や骨粗鬆症の発症率低下などに役立つ栄養素として注目されています。
さらに、その大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから、腸内でより強い作用をもつ「エクオール」という物質が作られることが分かってきました。エクオールの効果と産生できる人の特徴についてご紹介します。(※1)
エクオールに期待される5つの効果
1.更年期症状の緩和
エクオールはエストロゲンと似た働きをすることから、更年期症状の予防・改善に効果が期待されています。また、体内でエクオールを作れる人は、ほてりや首・肩のコリなどの更年期症状が強く出にくい傾向があることが報告されています。(※1)(※2)
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2.骨粗鬆症の発症率の低下
女性は閉経後、新しい骨の形成を促進し、古くなった骨の破壊を抑えるエストロゲンが激減するため、骨量減少による骨粗鬆症に陥りやすくなります。しかし、大豆イソフラボンを摂り続けると骨密度の減少が抑えられ、その効果はエクオールを作れる人の方が強くみられたという報告があります。(※1)(※3)
3.生活習慣病を予防
大豆製品を食べた人のなかでも、エクオールを腸内で作れる人ほど、悪玉コレステロール(LDL)・血糖値(HbA1c)・動脈硬化のリスク(CAVI)が下がったという報告があり、生活習慣病予防効果が期待されています。(※2)
4.美肌効果
コラーゲンの生成を促すエストロゲンが減ると、肌の弾力やハリが失われ、しわ・たるみなどの悩みが出やすくなります。これらを、エストロゲンのような働きをもつエクオールが改善すると期待されています。
5.乳がんのリスクを下げる
エストロゲンの分泌が過剰だと乳がんのリスクが上がるとされています。エストロゲンが多過ぎるときは、エクオールが先にエストロゲン受容体と結合し、過剰な作用を抑えてがん化を防ぐと考えられています。(※4)
エクオールを産生できる人の特徴
エクオールは、大豆製品に含まれる大豆イソフラボンの一種「ダイゼイン」から、腸内細菌(エクオール産生菌)の働きによって作り出されます。
エクオール産生菌を持つ日本人は2~3人に1人。しかも、若年者より年配者に産生できる人が多いという報告があり、食生活に影響を受ける可能性が示されています。
エクオールを産生できる人に多くみられる食習慣は下記のとおりです。(※1)
腸内環境は一朝一夕に変わるものではなく、日々の積み重ねが大切です。また、離乳期から小児期にかけての食生活が腸内環境に大きな影響を与えるともいわれています。大豆イソフラボンのメリットを効果的に得るために、長期的にバランスよい食事をとるよう心がけましょう。
【参考】
(※1)J-STAGE 腸内細菌が作り出す大豆イソフラボン代謝産物の有用性と安全性
〈https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/51/2/51_74/_article/-char/ja/〉(最終閲覧日 2016/11/26)
(※2) 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 エクオール 中村 其
〈https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/57/11/57_11_492/_pdf〉(最終閲覧日 2016/11/26)
(※3) J-STAGE 骨粗鬆症の予防における大豆イソフラボンの生体利用性に関する研究
〈https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/103/12/103_12_927/_article/-char/ja/〉(最終閲覧日 2016/11/26)
(※4)Phytochemicalの健康影響:機能栄養学の提唱 イソフラボン 国立健康栄養研究所 渡邊 昌
〈http://www.jtnrs.com/sym25/25_023.PDF〉(最終閲覧日 2016/11/26)
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