野菜ジュースのメリット・デメリットは?上手な活用の仕方
忙しくて野菜が不足しがちなときに便利な野菜ジュース。「なんとなく飲んでいると安心」と思うかもしれませんが、野菜ジュースにはメリットもある一方で、デメリットもあることをご存じですか?今回は野菜ジュースのメリット・デメリット、上手な活用アイデアや選び方までご紹介します!
野菜ジュースのメリット
野菜ジュースの中には、1日分の野菜をとれるものや、糖質オフタイプのものまでさまざまあります。まずは、どの野菜ジュースにも共通するメリットを紹介します。
手軽に飲める
野菜ジュースは調理の手間がなく、忙しいときでも手軽に飲めるのが便利です。ストックしておきやすいため、いつでも飲める点もよいでしょう。
不足しがちなカリウム・食物繊維を摂れる
野菜ジュースは不足しがちなカリウムや食物繊維を補給できます。カリウムはむくみの解消や、血圧が気になる方の対策として。また食物繊維は便秘の対策としてとり入れたい栄養素です。
価格が安い
野菜ジュースは1本あたり100円程度と、比較的安価に手に入るのもメリットです。野菜の価格が高騰しているときでも、手軽に野菜をとり入れやすいでしょう。
野菜ジュースのデメリット
野菜ジュースはメリットばかりではありません。知っておきたいデメリットを紹介します。
野菜の代わりになるわけではない
1日分の野菜の量(350g)が使われているものもありますが、実際に野菜350gを食べたときと同じ栄養素の量を摂れるわけではありません。これは、野菜ジュースは加工の際に、ビタミンC・カリウム・食物繊維などの栄養素が減ってしまうからです。
野菜ジュースは不足しがちな栄養素の補給には役立ちますが「それだけでOKではない」ことを覚えておきましょう。
飲みすぎは太る原因になる
野菜ジュースは適量であれば心配ありませんが、たくさん飲んでしまうとカロリーを摂りすぎてダイエットを妨げてしまいます。例えば、果物が入っている野菜ジュースは1本200mlあたり70kcalほど。2本飲むと140kcalとなり、小さなおにぎり1個分のカロリーとなります。
噛む必要がない
野菜ジュースは噛まずに飲めるため、よく噛むことによるメリットを得られません。例えばよく噛むことは、食べすぎ防止、唾液の分泌を促して口の健康を守る、消化を促すなどのメリットがあります。また野菜ジュースばかりでは口まわりの筋肉もおとろえやすくなり、肌のたるみにつながるかもしれません。
野菜ジュースの活用方法
野菜ジュースばかりに頼りすぎるのはNGですが、忙しいときや野菜不足が気になるときは上手に活用したいものです。どのように活用するとよいか、シーンを3つ紹介します。
朝食にとり入れる
野菜ジュースのカロリーや糖質が気になる場合は、朝食にとり入れてみましょう。朝はエネルギー代謝が活発になる時間帯なので、夜に飲むよりカロリーの心配を減らせます。また朝にとり入れることで脂肪燃焼のスイッチを入れてくれるため、ダイエットをサポートしてくれます。
間食の代わりにする
つい甘いものを食べてしまいがちな間食ですが、野菜ジュースに置きかえてみてはいかがでしょうか。甘いお菓子に比べるとカロリーオフでき、不足しがちな栄養補給にもなります。
お酒を飲む前にとり入れる
お酒を飲む前に野菜ジュースをとり入れてみる方法もあります。野菜ジュースがアルコールの吸収を穏やかにしてくれるため、悪酔い対策に役立ちます。またむくみ対策になるカリウムや、アルコールの代謝の際に必要と考えられているビタミンCを補給できるのもうれしいポイントです。
野菜ジュースの選び方
野菜ジュースは選び方によっても得られるメリットが変わります。野菜ジュースの特徴を知って上手に使い分けてみましょう。
種類 | 特徴 |
野菜ジュース(野菜汁100%) | ・野菜のみで作られる ・カリウムや水溶性食物繊維を補給できる |
野菜ジュース(野菜+果物) | ・野菜と果物で作られる ・果物の甘みで飲みやすいが糖質は多め |
野菜ジュース(糖質オフタイプ) | ・糖質の少ない野菜のみで作られる ・糖質やカロリーが控えめ |
トマトジュース | ・トマトから作られる ・リコピンやβ-カロテンを補給できる |
にんじんジュース | ・にんじんから作られる ・β-カロテンを補給できる |
ダイエット中や、カロリー・糖質が気になる方が野菜ジュースを活用したい場合は、野菜のみで作られているタイプがおすすめです。果物が入っていると、飲みやすさはありますが、やはり糖質が多くカロリーも高めになってしまいます。
カロリーや糖質をさらに控えたい場合は、糖質オフタイプを選んでみましょう。同じ種類でもメーカーにより味わいや風味が変わるため、お好みのものを見つけてみてください。
野菜ジュースは野菜の代わりになるとはいえないものの、メリットを生かして上手に活用したいものです。生の野菜を食べることも忘れずに、自身の健康管理に上手に役立ててください。
【参考・参照】
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
【執筆者】
管理栄養士。病院、保健センター、保育園で幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在はフリーランス管理栄養士として、ライターやレシピ制作を中心に活動中。あすけんではコラム執筆などを担当している。HP:https://hirotachihiro.com/
管理栄養士
広田 千尋