ケトジェニックダイエット【ケトジェニックダイエット】
炭水化物源を減らし、代わりに脂質を多く摂取するダイエット法
ケトジェニックダイエットとは低炭水化物・高脂肪食ダイエットであり、炭水化物源をできるだけ減らし、その代わり脂質を摂取する食事方法のことです。
ケトジェニックダイエットの方法
1. 糖質量をカットする
糖質の摂取量を極度に少なくすることで、体内で最初に使われる糖質を少なくして、ケトン体を主なエネルギー源にします。1日の糖質の摂取量は20~40g程度とします。(※1) ご飯1杯(150g)で糖質量は大体52gなので、ご飯1杯で1日の糖質量をオーバーしてしまいます。ご飯以外にも、砂糖などの調味料・お菓子・アルコール、根野菜などにも糖質は含まれているので、かなり厳しい制限が必要です。
2. タンパク質をしっかり摂る
ケトジェニックダイエットでは、タンパク質をたくさん摂ることを意識しましょう。1日体重1kg当たり1.5gを摂ると良いので、体重50kgの場合はタンパク質75g程になります。(※2) 1食あたりに換算すると25gとなり、これはゆで卵2個分に含まれるタンパク質量です。タンパク質が不足すると、カロリー不足になり筋肉量が減るなどして基礎代謝量が落ち、太りやすくなってしまいます。
3. 脂質を多めに摂る
脂質はケトン体のもととなるため、ケトジェニックダイエットには欠かせません。不飽和脂肪酸を多く含む植物性の油や、中鎖脂肪酸を多く含むココナッツオイルなどの「質の良い油」であるほど、脂肪の分解がスムーズになり、ケトン体を増やしやすいので、油は選んで摂りましょう。(※3)
4. 野菜でビタミン・ミネラル・食物繊維をたくさん摂る
野菜の1日の摂取量は350gです。野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含んでいるので、毎日しっかり摂ることが大切です。特に、糖質を制限していると、食物繊維が不足しがちになります。ケトジェニックダイエットでは食物繊維は1日30gを目標としています。(※1) これは、日本人の食事で目標とされている食物繊維量の18gよりもかなり多い量です。野菜の他にきのこ、海藻類をしっかり摂っていきましょう。
ケトジェニックダイエットの効果
ケトジェニックダイエットはケトン体を作る際に、体脂肪を分解します。体脂肪が減っていくため、見た目も引き締まり、健康的に痩せることが出来ます。
ここに注意
ケトジェニックダイエットをしている時に、カロリー制限を行うのはやめましょう。同時に行うと生きていくために大切なカロリーと必須栄養素が不足してしまいます。また、不調を感じた場合は無理をしないことも大切です。
ご自身の適正カロリーは摂りながら、規則正しい生活、適度な運動を取り入れ健康的に痩せることを目指しましょう。長期的に行うと健康上のリスクが高まる恐れがあるため、専門の医師への相談や指導を受けるようにしましょう。
今まではカロリーを気にして、食事量が少ないことに耐えられず、ダイエットを断念した人もいるのではないでしょうか。ケトジェニックダイエットは食べながら健康的に痩せることができるとされている点が注目されているようです。
ケトジェニックとは、「ケトン体を体の中で作り出し、それをエネルギー源として働かしている状態」のことを言います。(※1)
私たちは主食として炭水化物(米・パン・麺など)を摂っています。炭水化物が分解されると糖質となり、糖質がエネルギー源となります。この糖質が枯渇すると、体脂肪を分解して作り出されるのがケトン体です。このケトン体が糖質に代わり、エネルギー源となります。
つまり、ケトジェニックダイエットとは、低炭水化物・高脂肪食ダイエットであり、炭水化物源をできるだけ減らし、その代わり脂質を摂取する食事方法です。古くは紀元前から、ケトジェニックダイエットの起源となる食事方法があったとも言われています。体重減少やさまざまな効果が期待されていますが、通常の食事のスタイルと異なる点も多いためコントロールが難しく、結果として継続できなくなったり、反動でリバウンドしてしまう可能性もあります。
一時的に減量ができたら、バランスの取れた食事に切り替え、運動もとり入れて生活習慣改善をしていただくことをおすすめします。
【参考・参照】
(※1) 化学と生物Vol.54, No.9, 2016 日本農芸化学会,山本祐司
(※2)白澤卓二 著「いちばんやさしいケトジェニックダイエットの教科書」主婦の友社
(※3)宗田哲男 監修「ケトン体ダイエットレシピ」扶桑社ムック
栄養士
井﨑 夏紀