ピスタチオ|種実類
「ナッツの女王」ともいわれるピスタチオ。実の緑色が濃く鮮やかなものほどよいとされています。そのまま食べるだけでなく、最近ではピスタチオを使ったアイスクリームやお菓子なども人気です。
今回はピスタチオの栄養やその効果、おいしい食べ方についてご紹介します。
ピスタチオの栄養と効果
ピスタチオにはどのような栄養が含まれ、どのような効果が期待できるのでしょうか。ピスタチオにとくに含まれる栄養素5つをご紹介します。
カリウム
ピスタチオに含まれるカリウムはナッツの中でもトップクラス。100gあたりのカリウム量は970㎎で、アーモンドの1.3倍、マカダミアナッツの3.2倍です。
カリウムは摂り過ぎたナトリウムを排出してくれる働きがあり、塩分の摂り過ぎの調整や、血圧を下げる働きが期待されています。
鉄
ピスタチオには100gあたり3.0㎎の鉄が含まれます。マカダミアナッツ、ピーナッツ、くるみなどに比べると多くの鉄を補給できます。
鉄は鉄欠乏性貧血に欠かせない栄養素です。貧血になると疲れやすくなったり、頭痛・動悸・息切れなどの症状が出たりすることがあります。とくに女性は生理により鉄が失われやすいため、積極的に補いましょう。
ビタミンB1
ピスタチオに含まれるビタミンB1は100gあたり0.43㎎で、ナッツの中でもカシューナッツに次いで多く含まれています。
ビタミンB1は糖質をエネルギーにかえる時に必要な栄養素です。不足すると、倦怠感・食欲不振・手足のしびれが症状の脚気という病気の原因や、疲労感の原因のひとつとなるとされています。
糖質を多く摂ると必要量が高まるため、ビタミンB1が含まれるピスタチオはビールやワインなどの糖質が含まれるお酒のおつまみにぴったりでしょう。
食物繊維
ピスタチオに含まれる食物繊維は100gあたり9.2g。ナッツ類は食物繊維が豊富なものが多いですが、ピスタチオは上位の含有量です。
食物繊維は便通改善に役立つだけでなく、糖や脂質の吸収を穏やかにしてくれる作用もあります。手軽に食べられるピスタチオで、不足しがちな食物繊維を補うのに役立ちます。
不飽和脂肪酸
ピスタチオに含まれる脂質は100gあたり56.1gですが、そのほとんどがカラダによいといわれる不飽和脂肪酸です。オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸がとくに多く含まれます。
オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを下げ、リノール酸などのオメガ6系脂肪酸は動脈硬化を防いだり悪玉コレステロールを減らしたりする作用があることが知られています。
ピスタチオの美味しい食べ方
ピスタチオはそのまま食べるだけでなく、さまざまな楽しみ方ができます。美味しい食べ方をいくつかご紹介します。
そのまま間食やおつまみに
炒ったピスタチオは香ばしく濃厚な味わいで、そのまま間食やおつまみにおすすめです。
硬い殻をむきながら食べることで自然とゆっくり食べられ、早食い防止に役立ちます。薄皮にも栄が含まれるので、薄皮はそのままいただきましょう。
ひと手間くわえて簡単な1品に
硬い殻から取り出したものを使って、簡単な1品を作るのもいいでしょう。
砕いたものをクリームチーズと合わせたり、アボカド+マヨネーズと合わせたりすると、クラッカーやバケットに合うディップとなります。ほかにも、さまざまなナッツと合わせてはちみつ漬けにするのもおすすめです。
お菓子作りに
ピスタチオを使ったお菓子は、ピスタチオの風味が加わるだけでなく、鮮やかなグリーンが映えて見た目も美しくなります。
砕いたものをクッキーに混ぜ込んだり、ケーキなどのトッピングに使ったり、ピスタチオクリームを手作りしてアイスクリームやパウンドケーキにしたりするのもいいでしょう。
カラダによい栄養が摂れるからといって、ピスタチオなどのナッツ類を食べすぎると、カロリーオーバーに繋がってしまいます。1日10~20粒程度を目安に、ほどほどに楽しみましょう。
【参考・参照】
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)〈https://fooddb.mext.go.jp〉(最終閲覧日2022/6/21)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋