食事に偏りがある人は要注意!タンパク質の上手なとり入れ方
三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の中で最も不足しがちなタンパク質。
食事の際に「おかず」をしっかりと食べているようでも、メインとして用いた食材の脂質の割合が高かったり、野菜中心にしすぎていたりすると、タンパク質がうまく摂れていないこともあります。
2種類のタンパク質とは
タンパク質にはお肉や魚・卵などに含まれる動物性タンパク質と、豆類に多く含まれる植物性タンパク質があります。
現代型の食生活ではタンパク質の摂取割合として動物性のものがどうしても多くなってしまいがちです。
特に肉類の摂取が多くなると飽和脂肪酸などあまりとりたくない栄養素を摂りすぎてしまうので、大豆製品などの豆類をとる頻度を増やして植物性のものからも上手にタンパク質をとれるように心がけていきましょう。
タンパク質が不足しやすい食事パターン
女性の場合は特に、ダイエットや健康のためにと野菜を中心にした食事にしている場合メインとなる肉や魚を避ける傾向にあり、タンパク質の摂取量が目標に届いていないことが多いです。
また、男性に多いのが昼食などに手軽に食べられる丼ぶりものや麺類ものの単品メニューを選びがちな食事パターン。
具として肉や魚・卵が使われていることが多いですが、カロリーの大部分は主食となるごはんや麺が占めています。そのためタンパク質の摂取も足りず、植物性タンパク質が不足がちとなってしまいます。
タンパク質が不足すると
タンパク質は筋肉や皮膚、髪の毛といったカラダの中で目に見える部分を作っているだけでなく、セロトニンやドーパミンといった私たちの気分を左右する脳内物質の主原料となっています。
そのため、タンパク質が不足してしまうとやる気がなくなったり落ち込んでしまったりと、心の健康までも損なってしまう危険があるのです。
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タンパク質を簡単にとり入れる方法4つ
1.卵を1日1~2個とる
卵は価格も安く、簡単な調理で美味しい料理ができる優れもの。
以前はコレステロール値を上げるというように言われていましたが、血中コレステロールの約8割は体内で合成されるものであるため、食事でとるコレステロールの量の影響はそこまで心配がないとされています。(※1)
また、オムレツや卵焼きをする際の具として納豆やチーズなどを混ぜることで、タンパク質量をさらにUPさせることができます。
2.毎日乳製品をとる
牛乳や豆乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品は冷蔵庫にストックするようにしておき、牛乳なら1杯、ヨーグルトなら小さいパック2つ、チーズなら2切れを目安に毎日摂っていけるようにしましょう。
また小腹がすいた時の間食にも、乳製品のストックがあれば安心。タンパク質だけでなく脂質もバランスよく含まれているため、腹持ちの良い間食になりますよ。
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お店でコーヒーを飲むことが多いという方は、ブラックコーヒーの代わりにカフェラテやカフェオレを選ぶよう意識されるのもいいですね。
・牛乳1杯(190cc) ⇒ 6.5g
・ヨーグルト1個(100g) ⇒ 4.3g
3.調理不要のタンパク質を上手に用いる
食事に肉や魚などのタンパク質を多く含む食材をとり入れようとすると、ほとんどが火を使った調理をしなくてはいけません。
そのため時間が無い時や料理が面倒な時には、「開けるだけ」「切るだけ」でOKな調理不要の食材を上手くとり入れてみましょう。
サラダにツナ缶をのせたり、麺類のトッピングにサラダチキンやかまぼこなどを乗せるだけで簡単にタンパク質量を増やすことができます。
・サラダチキン1人前 ⇒ 29.1g
・シーチキン1缶 ⇒ 15g
4.植物性タンパク質をもっと身近に!
動物性タンパク質と植物性タンパク質の理想的なバランスは1:1。
食事中の植物性のタンパク質の割合を今一度見直してみましょう。
植物性タンパク質を多く含むものとしては豆類や全粒粉の穀物などの他、アーモンド、さらにはバナナなどの果物にも含まれています。
麻婆豆腐や卯の花、煮豆など豆類を使った料理のレパートリーを増やしてみたり、糖質制限として穀物を減らし過ぎないようにすることも植物性タンパク質をしっかりと摂っていく上で大切です。
・絹ごし豆腐1/3丁(100g) ⇒ 5.3g
・煮豆大さじ2杯くらい(60g) ⇒ 5.1g
タンパク質は心とカラダどちらの健康も支えてくれている大切な栄養素。不足することなく、また動物性ばかりに偏らないメニュー選びができるようになるといいですね。
【参考・参照】
(※1)農林水産省「脂質による健康影響」
〈http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_eikyou.html〉(最終閲覧日 2017/9/7)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2023/1/28)
海外の菜食者(ベジタリアン)に興味を持ちベジタリアニズム発祥の地ともいわれるイギリスへ留学。
国内外で得た菜食に関する知識やスキルを活かしながら「食を通して心もカラダも健康に」をモットーに
料理教室の主宰、商品開発、コラム執筆などを行う。
MY Nutrient
栄養士・フードスペシャリスト
安川 舞由子