間食にチョイス!高カカオチョコレートが注目されている理由

ここ数年で急激な人気の高まりを見せている“高カカオチョコレート”。ビターな味でミルクチョコレートよりも高カカオチョコレートの方が好み!という方も少なくないのではないでしょうか。
そして最近、高カカオチョコレートには便秘解消や脳の働きを高めてくれるといううれしい効果が期待されています。今回はおいしさだけではない高カカオチョコレートの魅力についてお伝えしていきます。
the dark chocolate, cocoa beans and cocoa powder

高カカオチョコレートとは

通常のチョコレートは全体の約30〜40%のカカオを使用し、それに乳成分や糖分を加えて作られています。これに対して高カカオチョコレートに含まれるカカオは約70%以上で、ほぼ100%に近い割合のものまで。
カカオの割合が多くなるとその分使用されるミルクや砂糖の量が減り、甘さは控えめでやや硬い口当たりの“大人の味わい”のチョコレートとなります。

現時点では高カカオチョコレートと定める上で「カカオを〇〇%以上使用しなくてはならない」といった定義はありませんが、一般的に高カカオチョコレートとして健康効果を期待されるものはカカオの使用量が70%以上のものとなっています。(※1)

高カカオチョコレートに期待されていること3つ

1.低GIで血糖値をコントロール

GIは血糖値が上がるスピードを数値化したもので、GIが高い食品は血糖値を上げやすく、GIが低い食品は血糖値を上げにくくなります。
血糖値の乱高下は食後の眠気や集中力の低下などを招く要因となるため、特に仕事中は血糖値の大幅な上下動には気を付けたいところです。
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通常のミルクチョコレートはGIが91となるのに比べ高カカオチョコレートはGIが22と大幅に低くなるため、集中力を切らさずエネルギーを補給したい時などに召し上がってみてはいかがでしょうか。

2.新しい機能成分”カカオプロテイン”が便秘解消に期待

帝京大学と株式会社明治の研究にて、カカオに含まれるタンパク質の一種、カカオプロテインには便の量と排便回数を増やし、便秘改善に効果があることが期待されています。
研究内容は、20歳以上50歳未満の便秘を自覚する女性31名を対象に、72%の高カカオチョコレートを摂取するグループと、ホワイトチョコレートを摂取するグループに分類し調査。

1日当たり約25gのチョコレートを2週間摂取し、排便回数や便の色・量の変化を調べています。

研究結果では、カカオプロテインは不溶性食物繊維と同じように難消化性であることがわかり、これにより便のかさを増し、排泄回数の増加に役立つと示唆されています。
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さらに、高カカオチョコレートの摂取で、便秘改善に関わる善玉菌(フィーカバクテリウムなど)を増やす可能性があることも示唆されています。(※2)
便秘解消はダイエットにも嬉しい効果なので、今後の研究に期待したいところ。

カロリーオーバーには注意が必要
甘さも控えめなことからダイエット中でもOKな間食だと思われるかもしれませんが、高カカオチョコレートは糖分が少ない代わりに脂質が高く、その分カロリーもやや高めになっています。ダイエット中の方は量には気をつけながら食べるようにしていきましょう。(※1)

3.記憶力アップや認知症予防

脳にはBDNFと呼ばれる、脳神経を作る際の栄養分として働く物質があります。
このBDNFは脳を良い状態に保つ上で欠かせない物質ですが、65歳以上になると加齢により減少していくといわれています。

それが近年、愛知県蒲郡市・愛知学院大学・株式会社明治との研究にて、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールによりこのBDNFが増えるということが分かってきました。
研究内容は、45~69歳の347人を対象に、カカオポリフェノールを多く含む72%高カカオチョコレートを毎日25g摂取し、前後血圧や血液検査・カラダの変化を検証したもの。
BDNFが増えることにより学習や記憶などの認知機能が高まり、更には認知症の予防にも効果を発揮する可能性があるとみられています。(※3)

加えて、カカオポリフェノールには脳への血流量を上昇させる働きも。
脳の血流量の増加も認知機能の向上に繋がるとされ、研究が続くカカオポリフェノールの脳への効果にも今後更なる期待がされています。(※3)

 

おいしく健康をサポートしてくれる高カカオチョコレートの持つ健康効果への期待は高まるばかり。これまで試したことがなかったという方も、ぜひ一度高カカオチョコレートを手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

【参考・参照】
(※1)独立行政法人国民生活センター「高カカオをうたったチョコレート」
〈http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20080206_2.html〉(最終閲覧日 2017/9/3)
(※2)株式会社明治「レポート2 新発見!カカオプロテインで便通改善」
〈http://www.meiji.co.jp/chocohealthlife/news/research_cacaoprotein3.html〉(最終閲覧日 2017/9/3)
(※3)株式会社明治「レポート1 チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究最終報告」〈http://www.meiji.co.jp/chocohealthlife/news/research_final.html〉(最終閲覧日 2017/9/3)

海外の菜食者(ベジタリアン)に興味を持ちベジタリアニズム発祥の地ともいわれるイギリスへ留学。
国内外で得た菜食に関する知識やスキルを活かしながら「食を通して心もカラダも健康に」をモットーに
料理教室の主宰、商品開発、コラム執筆などを行う。
MY Nutrient

安川 舞由子

栄養士・フードスペシャリスト
安川 舞由子

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