悩んでない?ダイエット便秘を解消するには
自己流のダイエットを頑張り過ぎると、便秘を招いて体重が減りにくくなり、モチベーションが低下してしまうことがあります。そんな、ダイエットの大敵「ダイエット便秘」の原因と対策について栄養士が解説します。
便秘の原因に!NGダイエット4パターン
1.食べないダイエット
食事を抜いたり、食べる量を極端に減らしたりするダイエットはおすすめできません。というのは、食事の栄養素を吸収した後に生じる残りカスが、便の材料になるから。極端に食事量を減らすと、便を作り出せずお通じが滞るだけでなく、老廃物をうまく排出できないことによる肌荒れの原因にもなりかねません。
とくに、朝食を抜くと排便のリズムが狂いやすくなり、便秘になりやすいとされているので注意してくださいね。
⇒栄養士が解説!朝食がもたらす6つの効果
2.偏食ダイエット
生野菜ばかり、ダイエット食品ばかりなど、偏った食品ばかり食べ続けている人は食事の見直しが必要です。理由は、便秘改善に効果的な食物繊維が不足しやすくなってしまうから。加えて、腸内環境を整える水溶性食物繊維と、便のカサを増やす不溶性食物繊維とをバランスよく補うことが難しくなるので便秘を引き起こしやすくなります。
⇒水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維の違いと上手な摂り方
3.脂質抜きダイエット
摂取カロリーを制限するために、脂質を全く摂らないのは困りもの。脂質は、腸内で便の滑りをよくして、スムーズに排泄させる働きがあるからです。また、腸の動きを活発にする作用もあるので、良質な油を適量摂ることが大切です。
4.便秘薬ダイエット
ダイエット便秘の解消と痩せる目的で便秘薬を常用するのは止めましょう。
腸が便秘薬の刺激に慣れてしまい、自然な便意が起こりづらくなってしまいます。
ダイエット便秘を防ぐコツとは?
炭水化物を減らし過ぎない
ご飯やそばといった主食の炭水化物には、食物繊維や便を軟らかくする水分が含まれています。したがって、炭水化物を減らし過ぎないようにすることが大切。また健康を害さないためには、最低でも1日130g以上の糖質を摂るようにして下さい。この量をご飯に当てはめると、お茶碗半分のご飯(120g)で約3杯分に相当します。
良質の油を上手にとり入れる
一日の摂取エネルギーの約20%を脂質から補うのが理想のバランス。とはいっても、ダイエット中は蒸し料理やホイル焼きなど、ヘルシーな調理を心がけている人も多いはず。
そんなときは、亜麻仁油・ココナッツオイル・オリーブオイルなどの良質の油を適量とり入れてみましょう。これらのオイルは大さじ1杯あたり約106~110Kcal。あすけんを使って、自分にあった「オイルの適量」を見直すのもよい方法です。
野菜をたっぷり食べる
便秘解消に欠かせないのが食物繊維。
さまざまな野菜・きのこ類・海藻類を食べると、水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく摂ることができ、お通じが整いやすくなります。いろいろな野菜を1日350g食べることを目標にしてみましょう。
⇒栄養士が伝授!不足しがちな野菜をとるテクニック
とくにきのこ類・海藻類はローカロリーで食事のカサましにもぴったり。ダイエット中の物足りなさを解消しつつ、ダイエット便秘を遠ざけてくれる優れものですよ。
栄養バランスを整えた賢い方法で、ダイエット便秘知らずのカラダを目指しましょう。
【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。
管理栄養士
衞藤敬子