ノンアルコールビールを上手に活用する方法
お酒が好きな人にとっては、ダイエット中のお酒について気になってしまう方も多いのではないでしょうか。また、お酒が飲めない・運転をするためにノンアルコールビールを選ぶ方もいるでしょう。
今回は、ノンアルコールビールはダイエットに効果的なのか?という解説と、ダイエット中の活用方法をご紹介します。
ノンアルコール飲料とは?
ノンアルコール飲料は、含有アルコール量が1%未満のもので、通常は外観、味、香りなどが酒類に似ているものを指します。ノンアルコールビールは、「ビールテイスト飲料」・「ノンアルコール・ビールテイスト飲料」・「ビールテイスト清涼飲料」などと表示されることが多いようです。ノンアルコール飲料には、実際は1%未満の微量のアルコールが含まれているものもあるため、最近では「アルコール0.00%」と表示したノンアルコールビールも販売されています。
カロリーゼロは本当にゼロ?
ノンアルコールビールには、「カロリーゼロ」「糖類ゼロ」などと表示されているものもあります。食品表示法の食品表示基準によると、食品100mlあたりカロリーは5kcal未満、糖類は0.5g未満、では「ゼロ」などと表示して良いとされているため、厳密には「ゼロ」でない可能性もあります。
ノンアルコールビールのメリット
カロリーを抑えられる
日本食品標準成分表では「ビール風味炭酸飲料」とされていますが、100gあたりのカロリーは5kcal、炭水化物は1.2gです。1缶350mlを飲んだとすると、18kcal、炭水化物4.2gとなり、普通のビールに比べるとカロリーは約8分の1、炭水化物は半分以下に抑えられます。カロリーゼロや糖類ゼロのものを選ぶと、さらにカットすることができるでしょう。
普通のビールは、アルコール飲料の中でも炭水化物が多い方に分類されるため、ノンアルコールビールは糖質をカットしたい方、カロリーを抑えたい方にはおすすめできると言えます。
アルコールによるデメリットの回避
アルコールが代謝されるとアセトアルデヒドが産生されますが、これは顔が赤くなる・吐き気・動悸・眠気や、二日酔いの原因物質となります。
また、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病のリスクは、1日の平均飲酒量とともに直線的に上昇することがわかっています。他にも、肝臓病や消化管への影響もあるとされています。
これらのことからアルコールは適量の摂取を勧められていますが、ノンアルコールビールでは、これらのデメリットを避けることができます。
機能性表示食品の登場
最近ではノンアルコールビールの中でも、機能性表示食品として「お腹まわりの脂肪を減らす」「脂肪の吸収を抑える」「糖の吸収を穏やかにする」などといったものも販売されるようになっています。様々なタイプがあるため、自分に合った機能のものを選ぶのも良いでしょう。
しかし、機能性表示食品は疾病の予防や治療を目的としたものではないため、これに頼りきるのではなく、あくまで補助的に使うように心がけ、普段の食生活を整える意識を持つことが大切です。
ダイエット中に取り入れるには?
前述のように、ノンアルコールビールは、通常のビールに比べると、カロリーや炭水化物を抑えることができますが、飲み物の分のカロリーを抑えていても、おつまみを食べ過ぎてしまえばカロリーオーバーしてしまいます。
例えば、居酒屋などでコース料理をすべて食べると、1000kcalを超えてしまうことが多く、さらにプラスしてシメのラーメンやデザートを食べてしまうと、かなりの量のカロリーを摂ってしまうこととなります。ダイエット中は飲み物だけでなく、おつまみや料理の選び方が大切です。焼き物や刺身などのシンプルな料理や、野菜中心のメニューを選ぶとカロリーを抑えることができますよ。
⇒外食や飲み会でもカロリーコントロールするワザ
取り入れる際のポイントとして、「アルコールは飲み会のときだけ飲むようにして、自宅ではノンアルコールビールにする」などと決めごとをしてみても良いでしょう。様々な種類のものが販売されていますので、飲み比べをしてみても楽しめそうですね。
ノンアルコールビールのメリットを生かして、自分に合った取り入れ方を探してみましょう。
【参考・参照】
厚生労働省 eヘルスネット <https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/>(最終閲覧日:2021/07/21)
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)<https://fooddb.mext.go.jp/>(最終閲覧日:2021/7/21)
消費者庁 食品表示法等<https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/>(最終閲覧日:2021/7/21)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋