エネルギー代謝に欠かせない【パントテン酸(ビタミンB5)】
パントテン酸は水溶性ビタミンのひとつで、別名「ビタミンB5」と呼ばれます。動物性食品や植物性食品全般にまんべんなく含まれており、体内では腸内細菌によっても合成されます。
パントテン酸はエネルギー代謝に不可欠な補酵素コエンザイムA(CoA)の構成成分になります。コエンザイムAは、三大栄養素をエネルギーに変えるときに必要なたくさんの酵素をサポートするため、その成分となるパントテン酸はエネルギー代謝に必要不可欠な栄養素です。
パントテン酸の働き
パントテン酸の働きには主に以下のようなものがあります。
- エネルギーの代謝
- ストレスの緩和
- 善玉(HDL)コレステロールを増やす
- 皮膚や髪の毛を健康に保つ
- 免疫力を高める
- ホルモンの合成
パントテン酸の目安量
パントテン酸の目安量は、男性(18~49歳)は5mg/日・(50歳以上)6mg/日、女性(18歳以上)は5mg/日です。(※1)
過剰摂取が続いた場合
水溶性のため、過剰にとっても尿中に排せつされます。また過剰摂取による副作用はほとんどありません。
不足が続いた場合
多くの食品に含まれているため、一般的な食事をしていれば不足することはありません。極度の栄養失調の場合は手足の知覚異常・頭痛・疲労が起こります。
パントテン酸が多く含まれる食材・食事
パントテン酸が多く含まれる食材は以下の通りです。(※2)
鶏レバー | 10.00mg |
豚レバー | 7.19mg |
鶏もも肉(皮なし) | 1.06mg |
子持ちカレイ(1切れ=100g) | 2.41mg |
うなぎの蒲焼(1串=100g) | 1.29mg |
たらこ(50g) | 1.84mg |
納豆(1パック=50g) | 1.80mg |
アボカド(1/2個=70g) | 1.09mg |
※特に記載のないものは、食品100gあたりの含有量を表示しています。
パントテン酸の摂取のポイント
パントテン酸は水に溶けやすく、熱に弱いためインスタント食品や缶詰などの加工食品より、生鮮食品を作った手作りの食事のほうが効率よくとれます。生のまま、あるいは焼くだけのシンプルな調理法がおすすめです。また汁物、あんかけなどにして煮汁も一緒にとると良いでしょう。
【参考・参照】
(※1)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2020/5/14)
(※2)文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)〈https://fooddb.mext.go.jp〉(最終閲覧日2022/4/26)