トレーニングの味方!【BCAA】

運動や筋トレをする方に人気が高まっている「BCAA」。サプリメントなどの種類が豊富にあり、「運動や筋トレに良い」というイメージを持っている方も多いかと思います。
BCAAについてと、期待される効果や摂取時の注意点について、あすけん栄養士が解説します。

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BCAAとは

筋肉で代謝されるアミノ酸

BCAAとは、必須アミノ酸の一種です。必須アミノ酸のうち、分岐する構造を持つバリン・ロイシン・イソロイシンの3つの総称を分岐鎖アミノ酸=BCAAと言います。BCAAは筋肉で代謝されるアミノ酸で、「筋肉をつくる」「疲労を抑える」と言われており、運動中の筋肉消耗を低減させることが期待されています。

カラダで合成できない必須アミノ酸

アミノ酸とは、タンパク質の構成成分です。タンパク質は、筋肉・骨・皮膚等の材料となり、酵素・ホルモン・免疫機能の維持に関わり、20種類のアミノ酸で構成されています。
20種類のアミノ酸のうち9種類は「必須アミノ酸」と言い、カラダで合成されないために食事から摂る必要があります。BCAAも必須アミノ酸のため、食べ物から補給しなければなりません

BCAAに期待される効果

運動時の筋肉痛・疲労感の軽減

企業研究によると、運動前後でBCAAを摂取すると、筋損傷の指標であるクレアチンキナーゼ(CK)や乳酸脱水素酵素(LDH)の上昇が抑えられたという報告や、筋肉痛や疲労感も軽減したとの報告もあります。(※1)
BCAA摂取により、筋損傷を軽減し、筋肉痛や疲労感も軽減する可能性が示され、運動時のコンディショニングに有効であることが期待されます。

運動パフォーマンスの向上

運動前にBCAAを摂取することで、BCAAが運動中のエネルギー源として効率的に利用され、持久的運動パフォーマンスが向上する可能性があることが企業研究で報告されています。(※2)
運動時はBCAAの必要量が高まるとされており、摂取したBCAAの血中濃度が30分後にピークになることから、運動30分前~運動中に摂ることが勧められています。

筋肉の分解を抑える

運動により筋肉中のBCAAが分解されることがわかっていますが、運動前にBCAAを摂取することで、筋タンパク質の分解が抑制されると考えられています。特にロイシンは、インスリン分泌を促進し、インスリンによる筋たんぱく質合成作用を増大することなどが報告されています。

このほかにも、BCAAの運動や筋肉への効果の報告は多数あり、有効性はあると言われていますが、まだ研究段階のようです。今後のさらなる研究に期待しましょう。

BCAAの取り入れ方

食事

BCAAなどの必須アミノ酸は、タンパク質を含む食品(肉・魚・卵・大豆・大豆製品・乳製品)などをバランスよく摂っていれば、不足することはありません。日常生活を送っていれば、BCAAの多い食品を摂ったり、サプリメントで補給したりする必要性は低いと言えるでしょう。

サプリメント

BCAAのサプリメントや飲料などを利用したい場合は、強度の高い運動をする際に取り入れると良いでしょう。BCAAは必要量が高まる前に摂取する必要があると言われているため、運動前に効率的に摂ることができます。運動前にサプリメントでなく食事から十分な量のBCAAを摂ろうとすると、消化・吸収に時間を要すことや、カラダを動かす前に多くの食べ物をとることで運動のパフォーマンスを低下させかねません。上手に活用しましょう。

BCAAなどを始めとするサプリメントは、たくさん摂ったからと言って効果が増進するわけではありません。サプリメントなどを利用する方は、使用量を守り過剰摂取に注意しましょう。
また、偏った食生活でタンパク質が不足すると、BCAAだけでなく他の必須アミノ酸も不足する恐れがあります。普段からバランスの良い食事を心掛けることが大切ですよ。

 

【参考・参照】
(※1)大塚製薬 BCAAの補給で運動パフォーマンスは向上する?<https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/bcaa/performance/>(最終閲覧日:2019/12/22)
(※2)BCAAはいつどれくらい摂取すればいいの?<https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/bcaa/timing/>(最終閲覧日:2019/12/22)
厚生労働省 eヘルスネット アミノ酸<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-001.html>(最終閲覧日:2019/12/22)
「健康食品」の安全性・有効性情報<https://hfnet.nibiohn.go.jp/>(最終閲覧日:2019/12/22)

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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