土用の丑の日、うなぎを食べる意味は?うなぎ以外の食べ物いろいろ
土用の丑の日といえば、やっぱり「うなぎ」を食べるのが定番ですよね。しかし、なぜうなぎを食べるのか、みなさんは知っていますか?そして実は、うなぎ以外にも食べるとよいとされる食べ物がたくさんあるのです。
今年の土用の丑の日は、うなぎだけでなくいろいろな食べ物をとり入れてみませんか?
土用の丑の日とは?
そもそも土用の丑の日とは、暦の中で「土用」という期間にある「丑(うし)の日」のことです。
土用は、季節が変わるとされる日の前の約18日間を指します。例えば、春が始まる日とされる「立春」、夏が始まる日とされる「立夏」など、春・夏・秋・冬それぞれに土用があります。
つまり、各季節に1回は土用の丑の日があることになりますが「土用の丑の日」といえば、夏の土用を指すのが一般的です。毎年、7月中旬から8月初めにかけての期間が土用の丑の日にあたります。
また、丑の日は12日ごとにやってくるため、土用の期間中に丑の日が2回ある年もあります。
土用の丑の日にうなぎを食べる理由は?
土用の丑の日にうなぎを食べるのは、昔ながら続く「食い養生」という習慣がもとになっています。
昔の人たちは「丑の日」には「う」のつく食べ物や、栄養のあるものを食べると、厳しい暑さに負けず、夏バテしにくいと考えていました。この風習は江戸時代ごろから始まったといわれています。
なかでもうなぎは、昔から滋養強壮によいといわれており、定番の食べ物となっています。
実際にうなぎは、
・カラダを作る「たんぱく質」
・栄養素の代謝に必要な「ビタミンB群」
・免疫機能の維持に欠かせない「ビタミンA」
などが含まれています。
夏はどうしても食欲が落ちやすい時期ですが、うなぎは栄養補給にぴったりな、理にかなった食べ物といえるでしょう。
うなぎだけじゃない!土用の丑の日に食べたいもの
丑の日はうなぎ以外にも、昔から「う」のつく食べ物や栄養価の高いとされるものがよく食べられています。どのような食べ物か、詳しく見てみましょう。
梅干し・きゅうり・うどん
梅干し・うり(きゅうり)・うどんは、「う」のつく食べ物であり、土用の丑の日にぴったりです。
うなぎときゅうりの酢の物である「うざく」や、冷やしうどんに梅やきゅうりをトッピングしたものなど、さっぱりとしたメニューが食べやすいでしょう。
土用しじみ・土用卵
土用と名のつく「土用しじみ」や「土用卵」も、土用の丑の日に食べるとよいとされている食べ物です。
しじみは旬が夏と冬の2回あり、特に夏の土用の時期に採れるものは「土用しじみ」といわれています。土用しじみは産卵を控えているため、栄養価が高く、身が大ぶりで味がよいとされています。
しじみは鉄や亜鉛などが豊富で、肝臓の働きを助けるとされるオルニチンを含むため、栄養補給にぴったりです。しじみは汁物や煮物にすると、溶け出た栄養素や成分もムダなくたっぷり補給できます。
また「土用卵」は、土用の期間に採れる卵です。卵は「完全栄養食」といわれるほどさまざまな栄養素を含んでおり、昔から滋養強壮によいと考えられています。
卵を使ったメニューはもちろん、錦糸卵をうな丼のトッピングにしたり、うなぎの卵とじにしたりしてもよいでしょう。
土用の丑の日にいろいろなものを食べるのは、夏を元気に過ごすための昔ながらのアイデアです。暑さに負けないカラダを作るためにも、しっかり食べてスタミナをつけましょう。
【参考・参照】
農林水産省 aff(あふ) 16年7月号 特集2 鰻(1)<https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1607/spe2_01.html>(最終閲覧日:2025/4/14)
独立行政法人 農林水産消費安全技術センター(FAMIC) 大きな目小さな目 2021年夏号No.65<http://www.famic.go.jp/public_relations_magazine/kouhoushi/back_number/202107-65.pdf>(最終閲覧日:2025/4/14)
【執筆者】
管理栄養士。病院、保健センター、保育園で幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在はフリーランス管理栄養士として、ライターやレシピ制作を中心に活動中。あすけんではコラム執筆などを担当している。HP:https://hirotachihiro.com/

管理栄養士
広田 千尋
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