運動の種類や時間の目安はどのくらい?運動を続けるコツも紹介
健康づくりやダイエットに大切な運動。いったいどのくらいすればよいのか、考えたことはありませんか?運動の目安を知っておけば、毎日の生活の中にも取り入れやすくなるでしょう。今回は、運動の種類、時間の目安の紹介と、運動がなかなか続かない方のために、続けるためのアイデアも解説します。
運動の目安
運動の目安のひとつとして、以下の基準があります(※1)。「メッツ」という単位をもとに、基準が定められています。
【運動の基準(18~64歳)】
・強度…3メッツ以上(息がはずみ汗ばむ運動)
・時間…4メッツ・時/週(30分以上の運動を週2回・または週60分以上の運動)
※メッツとは…運動強度の単位。安静時を1として、何倍のカロリーを消費するか表した数字
※メッツ・時とは…メッツに運動時間を乗じたもので、運動量を表した数字
これは、たとえば週に2回、30分程度の速歩を行うと満たせる運動量です。
この基準は体力の向上、筋肉量の維持などの健康維持を目的としています。運動習慣を持つことで、生活習慣病や活動性の低下の予防、また高齢の方ではロコモティブシンドローム、軽度認知症の予防など、さまざまな効果が期待されます。
またダイエットや筋力アップなどのボディメイク効果も、もちろん期待できるでしょう。
運動の種類と時間の例
先ほどの基準を満たすためには、具体的にどのように運動に取り組むとよいのでしょうか?種類と時間の目安を詳しく見てみましょう。
3メッツ以上の運動の種類
基準となる「3メッツ以上の運動」の例と、メッツ数もお伝えします。数字が大きくなるほど、消費カロリーが高く、運動強度も高いといえる運動です。
メッツ | 運動の種類 |
3.0 | ボウリング、バレーボール、ピラティス |
3.5 | 自転車エルゴメーター(30~50ワット)、軽~中等度の筋トレ、体操、ゴルフ |
3.8 | 全身を使ったテレビゲーム(スポーツ・ダンス) |
4.0 | 卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1 |
4.3 | やや速歩 |
4.5 | テニス(ダブルス)、水中歩行、ラジオ体操第2 |
4.8 | 水泳(ゆっくりとした背泳) |
5.0 | かなり速歩、野球、ソフトボール |
5.3 | 水泳(ゆっくりとした平泳ぎ)、アクアビクス |
5.5 | バドミントン |
6.0 | ジョギング(ゆっくり)、ウェイトトレーニング、バスケットボール、水泳(のんびりと泳ぐ) |
6.5 | 登山(4.1kg以下の荷物) |
6.8 | 自転車エルゴメーター(90~100ワット) |
7.0 | ジョギング、サッカー |
7.3 | エアロビクス、テニス(シングルス)、登山(4.5~9kgの荷物) |
8.0 | サイクリング |
8.3 | ランニング、水泳(クロール) |
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」より作成
この表に含まれない3メッツ未満の運動は、ストレッチやヨガ、座って行うラジオ体操などがあります。運動強度は低くはなりますが、運動不足の方はこのような運動からはじめようにすると、ケガの防止に役立つでしょう。
ちなみに運動の定番でもある「ウォーキング」は、運動ではなく普段の生活活動として分類されています。運動として行う場合は、スピードを上げて歩くようにすれば、3メッツ以上の運動になります。
通勤や買い物、移動などで歩行するときは早歩きをするよう心がけ、運動量を増やせるよう意識してみるとよいでしょう。
運動の時間の目安
運動時間の目安は、先ほど伝えた通り「4メッツ・時/週」となります。
運動の種類により運動時間の目安が異なるため、計算してみましょう。こちらの計算式で計算できます。
<以下の運動を行う場合の運動時間の目安>
・やや速歩→ 4メッツ・時/週 ÷ 4.3メッツ = 約55分
・ウェイトトレーニング→ 4メッツ・時/週 ÷ 6.0メッツ = 約40分
・ジョギング→ 4メッツ・時/週 ÷ 7.0メッツ = 約35分
この運動量を週に1回、または複数回に分けて実施することがすすめられています。
運動強度が高くメッツ数が大きいほど、運動する時間は少なく済む計算になります。自身が取り組みやすい運動で計算してみて、運動時間の目安を知ってみましょう。
【豆知識】メッツで消費カロリーも計算できる
メッツ数に自身の体重と運動時間を乗じると、消費カロリーの計算も可能です。
計算式は以下の通りです。
<体重60kgの人がやや速歩(4.3メッツ)を30分行った場合の消費カロリー>
(4.3メッツ-1.0メッツ) × 0.5時間 × 60kg = 99kcal
メッツ数から安静時のカロリー消費量(1メッツ)を引いた数字で計算すると、運動による純粋なカロリー消費量を計算できます。
どのくらいカロリー消費ができるかを確認したいときは、ぜひ活用してみてください。
運動を習慣化するアイデア
あなたは、紹介した運動量の基準を満たせていそうですか?
運動量の基準を満たす人は、男性で33.4%、女性 25.1%となっており、7~8割の人が運動不足の状況です(※2)。とくに仕事や家事、育児に忙しい30~40代はさらに少なくなり、運動不足が深刻ともいえます。
運動不足を解消するためには、運動を習慣化することが大切です。なかなか運動が続かないという方は、以下のアイデアを試してみませんか?
・周囲に宣言する
・運動仲間を作る
・運動するタイミングを決めてルーティン化する
・まずは3日続ける→次は1週間続けるなど、小さな目標を少しずつ達成していく
・アプリなどで運動記録をして可視化する
・靴などの道具を目につくところに置く
この中で何か取り組めそうなものがあれば、ぜひ実践してみましょう。
運動は健康なカラダづくりを支えるだけでなく、リフレッシュやストレス解消など、心にもよい働きが期待できます。まずは10分からでも、カラダを動かすことからはじめてみませんか?
※治療中の場合、推奨される運動量や運動強度が異なる場合があります。主治医に相談し、自分に最適な運動量を知りましょう。
【参考・参照】
(※1)厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013<https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.html>(最終閲覧日:2022/9/30)
(※2)厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html>(最終閲覧日:2022/9/30)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋
- ダイエットの知識
- 持病の対策(あすけんBLUEサークル)
- 持病の対策コラム
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