辛いつわりを乗り切るには?気をつけたいポイントと補いたい栄養素
つわりの症状や程度はさまざまですが、つわりの辛さに悩む方も多くいらっしゃるでしょう。つわりが辛いときは、どのように乗り切るのが良いのでしょうか?つわりを乗り切るポイントや、つわりの時期でも補いたい栄養素について解説します。
つわりの原因はわかっていない
つわりの原因は、妊娠初期の急激なホルモン変化による影響などと言われていますが、原因ははっきりとわかっていません。
一般的には妊娠がわかる5~6週頃からつわりがみられるようなり、妊娠12~16週頃には落ち着く場合が多いようです。
つわりは食欲不振、吐き気、おう吐などさまざまな症状があり、中には食事をとれずに体重が減ってしまう方もいるでしょう。体重が著しく減る(5%以上)場合や、食事や水分が十分にとれない場合は早めに医療機関に相談しましょう。
つわりを乗り切るポイント
辛いつわりは落ち着くまで時間が過ぎるのを待つばかりですが、つわりで食べられない方のために、乗り切るためのポイントをいくつかお伝えします。
水分はしっかりとる
吐き気やおう吐がある場合に注意したいのが脱水です。においの気になりにくい水やお茶、またはさっぱりと飲める果物ジュース、スポーツドリンクなど、飲みやすいものを選んでこまめに水分補給をしましょう。
食事がとれない場合やおう吐がある場合は、経口補水液を使うのも手です。経口補水液はナトリウムなどの失われやすいミネラルが補給でき、さらにカラダに吸収されやすいように工夫されています。
食事をとれないことは気にし過ぎないこと
「赤ちゃんのために食事をとらないと」と不安になる方もいるでしょう。食事のバランスはつわりが落ち着いてから整えるようにし、つわりが辛い時期は食べられるものを無理なく食べるようにしましょう。
ただし、つわり中でも葉酸は注意して取り入れたい栄養素です。こちらは後ほど詳しく説明します。
食べやすいものを見つける
つわり中の食べやすいものは人それぞれですが、一般的に食べやすいといわれる食べ物をいくつかご紹介します。
・エネルギー源になる主食…お粥、うどん、食パンなど
・冷たくさっぱり食べられる…ゼリー、シャーベット、アイスクリームなど
・食べやすく栄養補給にもなる…ヨーグルト、豆腐、卵豆腐、茶碗蒸しなど
・消化の負担になりにくいたんぱく源…鶏ささみ、豚もも肉、豆腐、卵料理など
・あっさりと食べられる野菜や果物…トマト、きゅうり、オレンジ、キウイフルーツ、バナナ、りんごなど
つわり中は買い物も一苦労です。食べたいときに食べられるよう、まとめ買いして常備しておくと安心です。
つわり中でも意識して補いたい栄養素
つわり中でも摂りたい栄養素は以下のようなものがあります。
赤ちゃんの健やかな成長のために「葉酸」
葉酸はとくに妊娠初期に必要な栄養素です。葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすことが知られています。
葉酸は野菜や果物が良い補給源となります。つわり中でも食べやすいものを取り入れると同時に、サプリメントを使い補給するようにしましょう。
「ビタミンB6」がつわりに有効である可能性も
つわり中にビタミンB6を摂取することで、つわりの症状緩和の効果が示されています。(※1)
ビタミンB6をサプリメントで摂取したい場合は、葉酸サプリメントに含まれる栄養素をチェックしましょう。葉酸サプリメントにビタミンB6が含まれていることもあるため、二重に摂らないよう気をつける必要があります。またサプリメント使用に関しては、医療機関で相談するようにしましょう。
つわりが辛いときはできる限りカラダを休め、仕事をしている方は職場に相談するなどし、無理なく過ごすようにしましょう。家族や周囲の人の協力を得ながら、辛いつわりの時期を乗り切ってくださいね。
【参考・参照】
(※1)公益社団法人日本産科婦人科学会 公益社団法人日本産婦人科医会 産婦人科診療ガイドライン―産科編2020<https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2020.pdf>(最終閲覧日:2022/4/26)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
広田 千尋