ダイエットや小顔効果も!よく噛んで食べると得られるメリット6つ

早食いはよくないと聞いたことはありませんか?
平成21年の国民健康・栄養調査では、体型別に食事の早さを調べたところ、肥満男性(BMI25以上)の69.3%が「食べるのが早い」という回答が得られました。この割合は、やせ~標準の人よりも多く、早食いの習慣がある人ほど肥満度が高いという研究結果が出ています。
反対に、よく噛んでゆっくり食事をするとダイエット効果や健康効果が期待できます。 ここでよく噛んで食べることで得られるメリットを6つご紹介します。 pixta_16522629_S

噛んで食べることで得られるメリット6つ

1.食べ過ぎを防いで太りにくいカラダに

よく噛んでゆっくり食事をすると、満腹のサインが脳に伝わりやすく、食べ過ぎを防ぐことができます。満腹中枢が刺激されて満腹感を感じるのは、食事開始から約20分後。その前に食事を終えてしまうと、食べる量が増えやすくなるので注意が必要です。
⇒食べ過ぎを抑える3つのコツはこちら

2.食後に消費するエネルギー量がアップ

食事後、とりこまれた栄養素が分解されるとき、その一部が体熱になって消費されます。食事の後に、カラダがポカポカと温かくなるのはこの消費された熱によるものです。 この仕組みを食事誘発性熱産生(DIT)」といい、消費されるエネルギーは食事でとった10%ほどになります。食事誘発性熱産生(DIT)による消費エネルギー量は、よく噛んで食べることで高くなるといわれています。
⇒噛むだけで消費エネルギーが上がる?食事誘発性熱産生(DIT)

3.小顔効果

口の周りには表情筋がたくさんあります。噛む回数が増えるとそれらの筋肉を活発に動かすことにつながり、フェイスラインの引き締め効果が期待できます。

4.消化吸収を助ける

よく噛むと、唾液と一緒にアミラーゼという消化酵素が分泌され、ごはんなどに含まれるでんぷんを消化吸収しやすく分解してくれます。 これにより、胃腸での消化吸収が助けられ、食事に含まれる栄養素を効率よくとり入れることができます。

5.虫歯を防ぐ

しっかり噛むと唾液の量が多くなり、口の中の汚れを洗い流して虫歯予防に役立ちます。 食事のたびに口の中は、ミュータンス菌などの影響で酸性に傾き、歯の表面が溶ける脱灰(だっかい)と溶ける前の状態に戻ろうとする再石灰化を繰り返しています。 歯の石灰化には唾液中の成分が欠かせないため、よく噛むことが大切です。

6.脳を活性化して老化防止

よく噛むことが記憶力の改善や、認知症の予防に効果があると期待されています。いくつかの研究では、噛むという動作で脳神経が刺激され、脳内の血流を良くしたり、記憶中枢である海馬の血流増加がみられたという結果が出ています。

ちょっとしたことからできる!噛む回数を増やすコツ

ひとくち30回噛むことを心がける

1.2.3・・と噛む回数を30まで数えるのが難しいという人は、「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す」と頭の中で3回唱えながら噛むと、ひとくち30回が達成しやすくなります。 きのこ白菜・水菜など、食感が楽しめるものを食べるのもおすすめ。

ひとくちの量を減らして時間をかけて食べる

ひとくちの量が多いと、あっという間に食事が終わってしまいます。ひとくちの量をいつもの半分にして、少しずつゆっくり食べるようにしてみましょう。普段は10分間で食事を終えてしまうとしたら、20分で食べるように目標を決めるのもひとつの方法です。

噛みごたえのあるメニューをとり入れる

やわらかい食感のものはすぐ飲み込めるので、噛む回数が少なくなってしまいます。 タコイカごぼう・切干大根などの歯ごたえのある食材を使った料理をとり入れてみましょう。また、食材を大きめにカットして調理すると、噛む回数を自然と増やすことができます。

”ひとくち”ごとにお箸を置く

かき込んで食べてしまうような癖があると、ゆっくりと食事をとるのが難しいもの。 ひとくち食べたら、お箸を置くという動作を食事にとり入れると、早食いを予防することができ、「ひとくち30回噛む」も実践しやすくなります。

楽しく会話してゆっくり食べる

1人でパソコンやテレビを観ながら何となく食べていると、どうしても食事時間が短くなり、噛む回数が減ってしまいます。対して、会話を楽しみながら友人や家族と食事をとると、時間をかけて食べることになり、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防ぐことができます。 さらに、会話によってエネルギーが消費されるため、楽しい食事はダイエットにも貢献してくれるといえそうです。

 

噛むことは、ダイエットに効果的なだけでなく、健康増進にも役立ちます。できることから少しずつ、噛む習慣をつけるようにしてみませんか?食材本来のおいしさや食事の楽しさなど、見逃していた発見があるかもしれませんよ。

【執筆者】
コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

衞藤敬子

管理栄養士
衞藤敬子

ページトップ