ダイエッターにおすすめ!ギーに期待できる健康効果5つ
ココナッツオイルや亜麻仁油などは健康に良いオイルとして知られていますが、「ギー」というオイルはご存知でしょうか?最近少しずつ注目されているオイルですが、さまざまな効果や効能が期待できるといわれています。そこで、ギーの健康効果や使い方についてご紹介します。
ギーとは
バターを加熱ろ過してタンパク質などの不純物を取り除いたもので、純度の高い油といわれています。
世界三大医療の一つであるインドのアーユルヴェーダでは、健康や若さを保つための予防医学として何千年も前から利用されてきました。
ギーに期待できる健康効果5つ
1.抗アレルギー作用
ギーに含まれている共役リノール酸は不飽和脂肪酸の一つで、最近の研究では花粉症の炎症を抑えたり、アレルギー反応を起こす物質の生成を抑える効果があることがわかってきており、今後も免疫機能の研究が期待されています。(※1)
⇒花粉症予防に!免疫力を上げる栄養成分
2.脂肪燃焼効果
ギーに含まれている中鎖脂肪酸は、肝臓ですばやく分解されエネルギーとして利用されます。 また、酪酸は乳製品に多く含まれている短鎖脂肪酸で、腸管で吸収されるとすぐにエネルギーとして利用されるため脂肪が蓄積しにくいといわれています。
3.免疫力アップ
理化学研究所のマウスによる研究結果では、酪酸には免疫細胞のひとつであるT細胞を増やす働きがあるといわれています。このT細胞にはウイルスなどからカラダを守る働きがあります。(※2)
4.認知症予防
短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は体内でエネルギーとして利用されやすく、脳の神経細胞の機能維持に良い影響があると考えられています。最近の研究では短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸を日常的にとり入れることで認知症のリスクが低下するという報告もあります。(※3)
5.目の健康維持
ギーには「目のビタミン」ともいわれるビタミンAが含まれています。ビタミンAは暗闇での視覚の順応を良くしたり、眼精疲労を改善する働きがあります。
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ギーのとり入れ方
料理に
炒め物などの油として使ったり、サラダにかける手作りドレッシングを調味料としておすすめ。ほのかにバターの風味が感じられます。また、トーストのバターの代わりにギーを塗って食べても美味しいですよ。
飲み物に
白湯やホットミルクに小さじ一杯ほど加えます。手軽にギーをとり入れることができるので毎日の習慣にできそうですね。
肌のケアに
普段使っている美容オイルの代わりにギーを使うこともできます。手のひらで少し温めて、顔やカラダの気になる部分に塗ります。肌への刺激が不安な方は目立たない部分で試してから使いましょう。
また、目の周りに小麦粉などで土手を作ってギーを流し込んで目を洗うネトラバスティというものがあります。こちらは自己流で行うと大変危険なので専門のサロンなどで施術を受けましょう。
ギーは輸入食品を取り扱っているお店やインターネット通販などで手に入れることができます。興味を持った方はぜひ試してみてくださいね。
【参考・参照】
(※1) 山﨑 正夫 共役脂肪酸の機能性食品成分への応用に関する研究 日本栄養・食糧学会誌 Vol.66 (2013) No.5 p. 241-247
〈https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/66/5/66_241/_pdf/-char/ja〉
(※2)理化学研究所 腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ
〈http://www.riken.jp/pr/press/2013/20131114_1/〉(最終閲覧日:2018/5/13)
(※3) 大塚 礼 地域在住高齢者における短鎖および中鎖脂肪酸摂取が8年間の認知機能得点低下に及ぼす影響 日本栄養・食糧学会誌 Vol.68 (2015) No.3 p. 101-111
〈https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/68/3/68_101/_pdf/-char/ja〉
特定保健指導を中心に年間600人の個別面談や集団面談を実施し、6ヶ月の支援に携わる。
その後、スポーツ栄養指導やセミナー講師、女性美容・健康雑誌へのレシピ掲載を経験。
現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。
管理栄養士
森延 陽子