ところてん|海藻

古くから日本で食べられている「ところてん」。天草という海藻から作られており、ツルツルとしている食材です。副菜としてだけでなく、デザートとしても食べることができます。ところてんは100gあたり2kcalと低カロリーで、ダイエット中でも気にせず食べることができます。今回はところてんの栄養とその効果、おいしい食べ方についてあすけん栄養士がご紹介します。

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ところてんの原料

ところてんの原材料は天草という海藻の一種です。天草を煮溶かし、濾したものを冷やし固め、「ところてん突き」という器具で突いたり、包丁で細く切って食べます。

天草から煮出したところてんそのものは、ほのかに磯の香りが感じられます。スーパーなどでは、細くカットされた形状で、酢や黒蜜などのタレと一緒に販売されていることが多いです。

実は、「寒天」のもととなる「角寒天」は、ところてんを干しあげたものです。同じ原料から作られているため、角寒天からところてんを作る場合もあるようです。

ところてんの栄養成分と効果

食物繊維

ところてんの食物繊維は100gあたり0.6gで、摂取カロリーを抑えつつ食物繊維を摂ることができます。

食物繊維は腸内環境を整える働きの他に、血糖値の急激な上昇を抑える作用もあります。また、脂質や糖、塩分に含まれるナトリウムなどを身体の外に出す働きもあり、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

ヨウ素

ヨウ素は、甲状腺ホルモンの成分として、タンパク質の合成やエネルギー代謝、子どもの発達に必要とされています。日本人は、普段から海藻を食べる習慣があるため、ヨウ素欠乏はほとんどみられません。ただし、長期間にわたって過剰にとり過ぎると健康に影響があるため、注意が必要な栄養素です。

妊娠中や出産後にヨウ素サプリメントを摂ると、⼦どもの甲状腺腫リスク低下 、甲状腺体積減少するという報告があり、妊娠中や授乳中の女性にも大切な栄養素です。「日本人の食事摂取基準」でも、一般成人よりも多く摂るべき栄養素として目標の量が決められています。ところてんには、240㎍のヨウ素が含まれており、1人前(100g)食べるだけでその目標を満たすことができます。

ところてんのおいしい食べ方

ところてんは地域によって食べ方が様々あり、二杯酢にからしを合わせたり、だし汁で食べる地域や、黒蜜をかけて食べる地域があるようです。単体で食べることが多いですが、他の食材と合わせてもおいしく食べられます。

冷し中華風ところてん

中華めんの代わりに、ほとんど炭水化物を含まないところてんを使うと、カロリー減となり、ダイエットにもおすすめです。上に好きな食材をのせるだけで、簡単に作ることができます。
レタストマトなど、野菜をたっぷり乗せればサラダ風にもなり、和える際には、酢醤油、ごま油、マヨネーズなどお好きな味で楽しめます。

低カロリーデザート

ところてんが低カロリーのため、デザートとしてもおすすめです。ところてん(100g)に大さじ1杯ずつ黒みつときな粉をかけると、約70kcalです。ダイエット中でも安心して食べられる一品です。

 

ところてんは、めんや春雨などの代わりに使ったり、間食に活用すると簡単にカロリーを減らすことができるヘルシーな食品です。食べ過ぎが続いた後のカロリーコントロールにもおすすめです。その他、普段小腹が空いた際のおやつや夜食としてとり入れてみてはいかがでしょうか。

▼カロリー計算▼
ところてんのカロリー・栄養価はこちら

 

参考・参照
・農林水産省 にっぽん伝統食図鑑 海藻製品〈https://traditional-foods.maff.go.jp/bunrui/kaisouseihin〉(2023/08/31)
・食品成分データベース

【執筆者】
大学で栄養学を学び栄養士の資格を取得。在学中は、経産婦の体型意識を調査し、健康的な体型と理想的な体型の差を研究した。3人の子どもを産み、自身の体型や食事が子どもに与える影響から、食事の重要性を再確認し、食を通じて多くの人の健康やダイエットのサポートしたいと考え、現在はあすけんコラム執筆の他、栄養価計算やメニューデータの整備などを行う。

井﨑 夏紀

栄養士
井﨑 夏紀

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