知っておきたい!サプリメントのベストなとり入れ方と注意点

栄養素や成分を手軽に摂れるサプリメント。健康づくりや美容のためにとり入れる方も多いですが、上手に付き合っていくためにとり入れ方や注意点を知っておくことも大切です。
今回は、人気の高いサプリメントの種類別に、ベストなとり入れ方や注意点を解説します。

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鉄分サプリメント

生理のある女性は鉄が不足しやすく、意識して摂りたい栄養素です。

鉄の種類をチェック!

鉄分サプリメントを選ぶときは、鉄の種類に注目してみましょう。鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、比較した際にそれぞれ特徴があります。

種類 吸収率 サプリメントの価格
非ヘム鉄 低い 安価な傾向
ヘム鉄 高い 高価な傾向

一般的に、非ヘム鉄は吸収率が低めですが、サプリメントでは吸収されやすいように工夫されているものもあります。また、体内の鉄が不足している場合は、非ヘム鉄の吸収率が高まるとされています。

ヘム鉄・非ヘム鉄のどちらがよいかは一概にいえないため、自分に合ったタイプや利用しやすいタイプを選びましょう。

飲み合わせに注意

お茶やコーヒーに含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げます。より効率的に摂取するには、鉄を摂る前後30分は避けるようにしましょう。

またサプリメントなどから、鉄を長期的に過剰摂取すると、鉄が臓器に蓄積され健康障害を起こす可能性があります。なんとなく摂り続けたり、たくさん摂ったりするのは控えましょう。

鉄を増やすには食事を見直すのもポイントです。下記のコラムを参考に、鉄の豊富な食べ物をとり入れてみましょう。
酸素を細胞に届ける【鉄分】

ビタミンCサプリメント

美容や健康づくりをサポートするビタミンC。通常は不足しづらい栄養素ですが、食事が極端に偏っている場合は不足しやすく、また喫煙者やストレスの多い方はビタミンCが消費されやすいとされています。

数回に分けて飲むと効率的!

ビタミンCは水溶性であり、まとめて摂っても排泄されやすいため、サプリメントは数回に分けて摂るのが効率的です。

1日の目安の量が何錠かに分かれている場合は、分けて飲んでみるのもよいでしょう。

水溶性でもたくさん飲むのはNG

ビタミンCをサプリメントなどから大量に摂ると、吐き気や下痢などの胃腸症状につながることがあります。

ビタミンCの耐容上限量は示されていないものの、サプリメントなどから1,000mg以上摂るのは推奨できないとされています。1日の目安の量を守って摂るようにしましょう。

また、ビタミンCは野菜や果物がよい補給源となります。豊富な食べ物は下記のコラムでチェックしてみましょう。
コラーゲンの生成に欠かせない【ビタミンC】

マルチビタミン・ミネラル

複数のビタミン・ミネラルを一度に補える、人気のサプリメントです。手軽に栄養素を補える点は魅力ですが、チェックしたいポイントがあります。

栄養素の種類・含有量を確認!

「マルチビタミン・ミネラル」といっても、含まれている栄養素や含有量は、サプリメントによってさまざま。なんとなくとり入れるのではなく、どのようなサプリメントなのか、また自身の利用目的に合っているか、しっかりチェックしましょう。

栄養素の過不足に注意

ほかのサプリメントや健康食品と併用すると、鉄やビタミンA、亜鉛、葉酸など一部の栄養素の過剰摂取につながる恐れがあります。

また、マルチビタミン・ミネラルのサプリメントは、カルシウムやマグネシウムの含有量が少ない傾向があり、食事がおろそかになると栄養素が不足することも考えられます。

「これを飲んでいるから安心」と考えるのではなく、含有量をしっかりチェックし、食事で工夫できるところはないか考えるようにしましょう。

バランスのよい食事の考え方は、食事バランスガイドが役立ちます。
食事バランスガイドとは?活用するための3ステップを解説

機能性成分サプリメント

最近は「高めの○○対策」「睡眠の質を向上」「ストレス緩和」など、さまざまな機能性成分を含むサプリメントも多く登場しています。

健康や体調のサポートには魅力的ですが、サプリメントはあくまで食品であり薬ではありません。

基本は食事や生活習慣の見直しが重要です。サプリメントに頼りすぎず、本当に必要かどうかを考えて、上手にとり入れましょう。
機能性表示食品って何?正しく知って、カシコク付き合おう

 

繰り返しになりますが、サプリメントはあくまで補助的なもの。まずは食事を基本として、サプリメントに頼りすぎないように、上手に付き合うようにしましょう。

 

【参考・参照】

厚生労働省 健康食品の正しい利用法(2016年2月改訂)<https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000113706.pdf>(最終閲覧日:2025/10/24)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html>

※本記事は2015年10月に公開した記事を再編集したものです。(2025年10月24日)

【執筆者】
管理栄養士。病院、保健センター、保育園で幅広い年代の栄養サポートに携わる。現在はフリーランス管理栄養士として、ライターやレシピ制作を中心に活動中。あすけんではコラム執筆などを担当している。HP:https://hirotachihiro.com/

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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