どうしたらいい?過剰になりがちな飽和脂肪酸を控え目にするコツ

お肉や乳製品などに含まれる飽和脂肪酸を知っていますか?飽和脂肪酸は、たくさん摂ることで生活習慣病の発症要因の一つになると考えられています。今回は、ちょっとした工夫で飽和脂肪酸を控え目にするポイントをあすけん栄養士がわかりやすくご紹介します。

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飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸は体内でつくることができるため、カラダにとって必ずしも必要な栄養素とは言えません。一方で、お肉の脂身や鶏肉の皮、バターや牛乳など、私たちの身近な食品に含まれているため、知らないうちに過剰摂取になりがちな栄養素の一つです。

飽和脂肪酸の目標量

飽和脂肪酸の目標量は、エネルギー合計に対して7.0%未満としています(18歳以上の男女の場合)※。例えば、20代女性で目標摂取エネルギーが1540kcalの場合、1日の飽和脂肪酸の目標量は11.98g未満となります。これは、チョコデニッシュ1個(飽和脂肪酸量:約16g)で簡単に超えてしまう量です。

※飽和脂肪酸は、過剰摂取によるリスクはあるとされていますが、現段階では明確な科学的根拠がありません。そこで、実際に日本人が摂っている飽和脂肪酸量の中央値をもとに基準が設定されています。

飽和脂肪酸を控え目にするポイント

飽和脂肪酸を控えるポイントを5つご紹介します。

お肉は脂身・皮を控える

ならバラ>ロース>もも>ヒレ肉の順に、ならもも>胸肉の順に、飽和脂肪酸の含有量が少なくなっています。鶏肉の皮にも飽和脂肪酸が含まれるので取り除くようにしましょう。

牛乳やヨーグルトは低・無脂肪、豆乳にする

低脂肪・無脂肪にすると飽和脂肪酸を控えることができます。さらに豆乳などの大豆製品は乳製品より飽和脂肪酸をカットできるので、風味の変化に抵抗がない方はとり入れてみるとよいでしょう。

バターの代わりにオリーブ油にする

オリーブ油は、バターと比べて飽和脂肪酸が控えめです。調理時に使うのはもちろんのこと、パンとの相性もよいのでパンにはバターの代わりにオリーブ油をつけるのもおすすめです。

パンはシンプルなものを選ぶ

デニッシュ系のパンやお菓子パンよりシンプルなベーグルや食パンを選べば飽和脂肪酸を抑えることができます。例えば、チョコデニッシュよりチョココロネ、クロワッサンよりバターロールの方が飽和脂肪酸は少ないのです。

お肉料理の次はお魚料理をメインにする

お魚はお肉に比べて飽和脂肪酸が少ないので、食べる回数を増やしてみましょう。調理が大変と思う方は、スーパーで売られているお刺身の盛り合わせ、お惣菜の焼き魚や煮物などを選んでみてはいかがでしょうか。

飽和脂肪酸を控え目にした食事例

先程のポイントを踏まえて、飽和脂肪酸を控え目にした1日の食事例をみてみましょう。
この例では、飽和脂肪酸が気になる食品を、赤い文字の食品に置き換えることで、全体で変更前の27.8gから11.4gと約60%の飽和脂肪酸をカットすることができました。
さらに、目標の飽和脂肪酸量が1日合計11.98g未満だったのに対しても、適正な量に抑えることができました。

朝食 飽和脂肪酸量
トースト(6枚切り)1枚 0.9g
バター(小さじ) ⇒オリーブ油(小さじ) 2.0g ⇒0.5g
キウイ(0.5個) 0g
コーヒー(ブラック) 0g
牛乳 0.5杯 ⇒低脂肪牛乳 0.5杯 2.4g ⇒0.6g
7.1g ⇒2.1g

 

昼食 飽和脂肪酸量
ご飯(白米・小盛り120g)1杯 0.1g
ねぎ入り卵焼き 1人前 1.8g
鶏もも肉のから揚げ 1人前 ⇒鶏胸肉のから揚げ1人前 3.6g ⇒0.5g
金平ごぼう 1人前 0.3g
プチトマト 1個 0g
ブロッコリー(ゆで30g)1人前 0g
エビフライ 1人前 0.3g
ウインナーソーセージ 1本 2.2g
8.3g ⇒5.2g

 

夕食 飽和脂肪酸量
ご飯(白米・小盛り150g)1杯 0.1g
味噌汁(しめじ・小松菜)1杯 0.1g
豚と大根の煮物 1人前 ⇒ブリ大根 1人前 10.9 ⇒2.6g
納豆 1人前 0.6g
キムチ 1人前 0g
なすとピーマンの味噌炒め 1人前 0.7g
12.4g ⇒4.1g

 

飽和脂肪酸を控え目にして目標量にするのは大変そうに感じるかもしれません。まずははじめてみることが大切です。食生活にとり入れられそうなことを無理なく1つ2つと試してみてはいかがでしょうか。

 

※1日の食事例は「あすけん」の設定で行いました。(20代、女性、目標摂取エネルギー1540kcal、飽和脂肪酸の目標量11.98g未満)

 

【参考・参照】
カロリー計算: 食事管理アプリあすけん調べ
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版〈https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html〉(最終閲覧日:2022/4/26)
厚生労働省 eヘルスネット〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-040.html〉(最終閲覧日:2022/04/26)

【執筆者】
仕事に没頭しすぎたことで体調を崩したことをきっかけに、健康的なカラダが仕事の質を良くするという思いを胸に約6年勤めた会社を退社し、栄養士の資格を取得。その後、JICA青年海外協力隊として2年間、中米グアテマラで現地の栄養教育を経験。現在は、病院で食事・栄養管理に関わる仕事と子育てをしながら、あすけん栄養士としてコラムの執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。

保延 弘美

栄養士
保延 弘美

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