おひとりおひとりの気持ちにより添う栄養指導を心がけて【あすけんBCインタビュー】

連載 あすけんBLUEサークルインタビュー

あすけんBLUEサークルインタビューでは、ダイエット目的だけではないあすけんの活用についてご紹介をしています。あすけんBLUEサークルメンバーへのインタビューをはじめ、医療機関でのあすけんの活用や管理栄養士さんのお話などを皆さんに共有していきます。

今回のあすけんBLUEサークルインタビューは、名古屋市名東区にあるひだまりクリニック様にオンラインでご協力いただきました。
ホームページにも疾患に関する情報が細かく掲載されており、クリニックの皆さまが一丸となって患者様をサポートされていることを感じました。(ひだまりクリニック:http://www.hidamari-clinic.jp/

ご紹介 管理栄養士 服部さん

ひだまりクリニックに勤務して6年目、糖尿病療養指導士資格も保有されており、来院された患者様の栄養指導を行っています。

※糖尿病療養指導士:看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士に受講資格がある、幅広い知識をもって糖尿病のセルフケアの支援を行うことのできる指導資格。参考:一般社団法人 日本糖尿病療養指導士認定機構

服部さんは子供ころから料理が好きで食に興味があったそうです。
また、ご祖父様が糖尿病を患われた際に、お酒をやめて食事療法を行い病状が良くなっていくところを間近で見ていたこともあり、”糖尿病の食事療法に関わることをしてみたい”という想いのもと現在のお仕事に就かれました。

栄養指導の合間には、季節に合わせた「ひだまり通信」の発行、患者様の食事指導用に食事例の模型や、ペットボトルの飲み物に含まれる砂糖の量が分かるサンプルを院内に展示し、目で見て正しい食事の量や食事の選び方を理解していただけるように工夫をされています。

服部さんが作成された院内のサンプルの一部をご紹介します!

実際に目で見ることができるのはとても参考になりますね。

IMG_1620
IMG_1617
IMG_1622
IMG_1625

あすけんは、どのようにご活用くださっているのでしょうか?

糖尿病の方はもちろんのこと、高血圧症・脂質異常症の方にもあすけんを使って栄養指導を行っています。年齢層的にはご高齢の方がほとんどですが、40代から50代の働き盛りの方も多くいらっしゃいます。

初診の際に血圧や血糖値などに気になる点がある患者様には、ほぼ栄養指導を行っています。待合のテレビにあすけんの使い方や特徴、あすけんを使っての栄養指導の流れを動画で流しているので、それを見て興味を持たれる方も多いです。栄養指導の際にあすけんに興味がありそうな方、スマホが使えて頑張れそうな方には、あすけんでの食事管理を提案しています。

最初は「3か月くらいあすけんを使ってみませんか?」とご提案しますが、その後半年継続する方もいれば、1年以上続けている方もいます。まずは3か月という期間を設けることで、アプリを使用して食事管理をすることに対するハードルが下がるのではないかと思います。

3か月くらい使用して食事の内容や血糖値などの数値が落ち着いてきたら、終了される方もいらっしゃいますし、そのままご自身で「もっと続けてみたい!」と継続される方もいます。

あすけん以外で栄養指導をされる場合は、どのような方法で指導されているのですか?

アプリの入力などが難しそうな方には手ばかり法のご説明や、ヘルシープレートを用いて1回の食事の主食・主菜・野菜・副菜のバランスのご説明をしています。
ヘルシープレートには葉物野菜・根菜・肉・魚・主食のイラストが描かれているので、そのイラストの通りにおかずと主食を盛り付けて食事をとることで、自然に栄養バランスをとることができます(上記写真3枚目)。

※手ばかり法:手ばかり栄養法ともいう。自分の手のひらを使って1日に食べる食材の適量を決める方法。
※ヘルシープレート:株式会社HPYKHP: https://hpyk-ykeiko.jimdofree.com/

あすけんを導入することで栄養指導にどのような変化がありましたか?

あすけんに食べたものを入力することで、ご自身の食べるものを意識するようになる方が多い印象です。

こちらであすけんを通して患者様の食事状況を確認していると伝えていることもあるかと思いますが、あすけんに記録することを意識されるのか「いつもならごはんを大盛にするけれど、今日は小盛りで我慢しました」という報告をいただくこともあります。また、1か月の自分の食事を振り返ることができる点も喜んでいただいています。

確かに、振り返ってどうだったか具体的に見ることができるのは面白いですよね

摂取栄養素グラフで自分の食事傾向がわかるのが面白いと思っていただけているようです。
私たちもあすけんを導入することで次の栄養指導の事前準備もやりやすくなったと思います。

栄養指導の時間は継続支援の場合は20分なのですが、あすけんを通して事前に患者様の食行動のデータを見ることができるので伝えたいことなどを予め用意できます。
あすけんを使用したことで食に興味をもたれた患者様に、食事に関する質問をたくさんいただくこともあります。

栄養指導で意識していることはどのようなことですか?

まずは患者様の想いを聞くことです。主治医の前では言えなかったこと、言いそびれてしまったことなど、深くお話を伺うことで話してもらえることがあります。

焦らずにじっくり向き合うことで心を開いてもらって、できそうなことを一つでもいいのでご自身で気づいてもらえるように心がけています。
患者様によって病気のとらえかたは本当に様々で、それほど重くとらえていないように見える方もいれば、深く落ち込んでしまっているように見える方もいます。

「お肉もご飯ももう食べられないのか・・・」ととらえる方もいらっしゃいますが、そんな時は”食べられないものは無い”ことや、”このくらいだったら食べても良い”などプラスの面もお伝えしています。

「食」というのは人生の楽しみである部分が大きいと思いますので、ご自身の中でたまのご褒美として楽しみをもうけつつ、それを少しでも長く味わえるように、食事管理を継続していただけたらいいですね。

楽しみを長く味わえるように

服部さん、素敵なお話ありがとうございました。

ゆったり優しくお話される服部さんには、心を開いていろいろなことを話したくなる患者様の気持ちがとても良く分かりました。

また、「食」は人生の楽しみでもあるというお話にも共感しました。
最初に食事管理を頑張りすぎて離脱してしまい、再度来院した際には以前よりも数値が悪くなってしまっている方もいらっしゃるということも伺いました。生きている限り食べることは切り離すことはできません。焦らずじっくり楽しみながら向き合いたいですね。

ページトップ