栄養士が教える!「コスパ」がよい鍋野菜とその活用法
寒くなってくると、鍋料理の出番が増えてきますね。鍋料理は、野菜をたっぷり食べることができるメニューです。時期によって変動はありますが、比較的価格がお手頃な「コスパがよい」鍋野菜と、おすすめのアレンジをあすけん栄養士が紹介します。
コスパがよい鍋野菜4つとおすすめの食べ方
豆苗
豆苗はえんどう豆をハウス栽培によって発芽させた野菜です。天候に左右されずに収穫できるため、比較的価格が安定しています。ビタミンA(β-カロテン)・ビタミンC・ビタミンE・葉酸などの栄養素が豊富な緑黄色野菜のひとつです。なかでもビタミンC・葉酸は熱に弱い性質があるので、豆苗を煮込まずに仕上げに加え、さっと火を通すようにしましょう。
残った根元部分を水に浸けておくと、1週間程度で芽が伸び、もう一度収穫できるのも経済的でうれしいですね。
《おすすめの食べ方》
牡蠣鍋+豆苗
牡蠣は、鉄を多く含む食べものです。吸収率の高いヘム鉄と、非ヘム鉄の両方が含まれており、非ヘム鉄の方が多いとの研究報告があります(※1)。ビタミンCが豊富な豆苗と組み合わせると鉄の吸収率がアップするので、ゆず・レモンなどのかんきつ類の果汁をしぼって、ビタミンCをプラスするのもおすすめです。
もやし
1袋数十円から購入できるもやしは、大豆や緑豆が発芽した野菜です。実は、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素を含み、食物繊維も摂れるためダイエットにも役立つ食材です。
《おすすめの食べ方》
鶏むね肉のつくね鍋+もやし
鶏むね肉は、高たんぱく質・低脂質でダイエット向きです。鶏むね肉には、鶏肉の他の部位よりも疲労感の低減やスタミナアップが期待されるイミダペプチドという成分を含むとの報告もあります。もやしにもたんぱく質が含まれており、アスパラギン酸など代謝に関わる成分をプラスすることができます。
えのき
年間を通じて手に入るえのきは、食物繊維が多く、低カロリーでダイエットにぴったりの食材です。噛みごたえもあるので、満足感も得やすいのが特徴です。
《おすすめの食べ方》
キムチ鍋+えのき
キムチの乳酸菌は、腸内の善玉菌の働きを助け、腸内環境の改善に効果的です。また、えのきをはじめ、きのこ類に含まれる食物繊維は低カロリーで食事のカサを増やせるため、満足感を得る工夫としてもおすすめです。さらに便通をよくしたり、脂質や糖質の排出に役立つほか、腸内細菌のエサにもなります。
ニラ
ニラは、ビタミンA(β-カロテン)・ビタミンC・ビタミンEが豊富な緑黄色野菜です。しゃきしゃきとしていて食べごたえがあり、餃子やつくねなどに混ぜ込んでもよく合います。ニラたっぷりのつくね・餃子をニラ鍋に加えると、さらに余さずニラを使い切ることができます。
《おすすめの食べ方》
豚しゃぶ+ニラ
豚肉には、糖質をエネルギーに変えるのを助けるビタミンB1が豊富です。ビタミンB1は、ニラなどの香りのもとであるアリシンと一緒に摂ることで働きが高まります。アリシンは、にんにくにも含まれているので、にんにくを薬味や風味付けに使うのもおすすめです。
季節や気候によって野菜の価格は変わります。これらの野菜以外にもその時にお得な野菜を組み合わせ、うれしい効果が得られる鍋料理を試してみてくださいね。
【参考・参照】
※1 Taniguchi CN, Dobbs J, Dunn MA.Heme iron, non-heme iron, and mineral content of blood clams (Anadara spp.) compared to Manila clams (V. philippinarum), Pacific oysters (C. gigas), and beef liver (B. taurus).J. Food Compos. Anal. 57: 49-55, 2017.
本記事は、2016年11月に公開した記事を再編集しました。(2024年12月11日)