不足してるかも!?筋トレや運動している方が摂りたいビタミンD・亜鉛・マグネシウム

Grilled salmon, salad and condiments on wooden table

筋トレや運動をしている方は、タンパク質の摂取など食事に気を遣う方も多いのではないでしょうか。実は、ビタミンDや亜鉛、マグネシウムもパフォーマンス維持のためにしっかり補給したい大切な栄養素です。今回は筋トレや運動をしている方はぜひ知っておいてほしい、ビタミンやミネラルの知識を解説します。

筋肉との関連「ビタミンD」

pixta_5381726_S

ビタミンDは腸内でカルシウムの吸収を促進する、骨の健康づくりに欠かせない栄養素です。ほかにも、炎症を抑える働きや、細胞増殖や免疫機能などに関わるなどの役割も担っています。

近年では、ビタミンDが筋肉損傷の回復に役立つとして研究が進められています。とくにビタミンD欠乏状態や負荷の大きい運動後に効果が大きかったという報告(※1)もありますが、まだ研究が進んでいる段階で、研究により結果にばらつきがあるようです。

厚生労働省による国民健康・栄養調査によると、男女ともにビタミンDの摂取量は不足気味となっています。(※2,3)とくに食事の偏りがある方は意識して取り入れましょう。

【ビタミンDを含む食べ物】
きくらげ舞茸、エリンギ、ぶなしめじうなぎさんまさばカツオいわしなど

運動をスムーズに「マグネシウム」

pixta_50788028_S

マグネシウムは骨や歯、筋肉、脳、神経に存在するミネラルです。筋肉の収縮や体温、血圧の調整にも関わり、体内の代謝を助ける働きもあります。マグネシウムは通常の食生活では不足の心配は少ないのですが、激しい運動下では汗や尿から排泄され、血中マグネシウム濃度が低下することがあります。

マグネシウムの不足は筋肉のけいれんを引き起こすことがあり、運動やトレーニングのパフォーマンスを落としかねません。またマグネシウムには骨の健康を守る働きもあるため、不足しないよう積極的に取り入れましょう。

【マグネシウムを含む食べ物】
玄米蕎麦オートミール豆腐納豆あさりアーモンドカシューナッツなど

1年を通してパフォーマンスを発揮「亜鉛」

牡蠣2

亜鉛タンパク質合成に関わり、筋肉にも含まれる栄養素です。創傷や炎症の治癒に必要とされ、亜鉛が欠乏すると、皮膚炎や味覚障害、免疫機能障害、成長遅延などさまざまな影響が知られています。

亜鉛もマグネシウムと同様、汗により排出されるため、激しい運動を行う場合は不足する恐れがあります。1年を通してパフォーマンスを発揮できるよう、不足しないよう意識して取り入れましょう。

【亜鉛を含む食べ物】
オートミール玄米納豆牡蠣レバー牛もも肉卵黄チーズなど

運動やトレーニングの成果を十分に出すためにも、バランスの良い食事は欠かせません。不足しやすい栄養素を意識して取り入れ、効率良く運動やトレーニングに取り組みましょう。

 

【参考・参照】
(※1)Alberto Caballero-García, Alfredo Córdova-Martínez, Néstor Vicente-Salar,Enrique Roche, and Daniel Pérez-Valdecantos,“Vitamin D, Its Role in Recovery after Muscular Damage Following Exercise”,Nutrients. 2021 Jul; 13(7): 2336.
(※2)厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要<https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf>(最終閲覧日:2022/6/1)
(※3)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
NSCAジャパン NSCA’s Performance Training Journal「筋傷害からの回復に有効な栄養素」<https://www.nsca-japan.or.jp/scj/18_5_59-60.pdf>(最終閲覧日:2022/6/1)

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

ページトップ