寒いときの味方!紅茶の効能について

紅茶は、日本人になじみのある緑茶と同じ茶葉から作られています。茶葉を蒸して乾燥させたものが緑茶、茶葉を完全に発酵させたものが紅茶です。
紅茶は世界で最も生産されているお茶で、健康や美容への効果が様々研究されています。今回は紅茶の栄養と期待できる効果、おすすめの飲み方について解説します。

black tea

ポリフェノール(タンニン)

タンニンの効果

紅茶にはポリフェノールの一種であるタンニンが含まれます。ポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化・老化・免疫機能の低下などを引き起こす活性酸素を取り除く働きがあります。健康面だけでなく、風邪の流行する季節や、美容が気になる方にもうれしい効果が期待できます。

タンニンの含有量

タンニンの含有量は、お茶の中では玉露茶に続き、2番目に多い量です。ただし、玉露茶には紅茶の約5.3倍のカフェインが含まれるため、毎日飲むのであれば紅茶の方がおすすめできると言えます。

茶葉によるタンニン量の違い

紅茶の茶葉の種類による、タンニン含有量の違いを研究した報告があります。(※1)報告では、種類の区別は明記されていないものの、茶葉の種類によりタンニンの量が8.4~18.2%とばらつきがあることがわかります。タンニンは渋味成分のため、紅茶を飲んだ際の渋味の違いにより、タンニン量を想像してみても良いかもしれませんね。

タンニンを摂るタイミング

タンニンには非ヘム鉄の吸収を低下させてしまう働きがあるため、貧血が気になる方は食事前後に紅茶を飲むのは控えた方が良いでしょう。

カフェイン

カフェインの効果

カフェインは、適量摂ることで中枢神経を刺激し、頭をすっきりさせ、眠気を覚ます効果が期待できます。頭をすっきりさせたい午前中や、午後の眠気を覚ましたい時にはぴったりの飲み物でしょう。

過剰摂取に注意を

カフェインの過剰摂取により、めまい、興奮、不眠、下痢、吐き気等の健康被害が起こることが知られています。(※2)紅茶浸出液100mlあたりのカフェイン含有量は30㎎で、コーヒーの約半分の量です。コーヒーを同じ杯数飲むよりはカフェインの量は抑えられますが、チョコレートや緑茶など、他の食品にもカフェインは含まれるため、紅茶の飲みすぎには注意が必要です。

また、敏感な人は就寝前5~6時間はカフェインの摂取は控えた方が良いとされていますので(※3)、紅茶を飲むのは夕方頃までが良いでしょう。
一日にどのくらいまでOK?自分にあったカフェインの適量をチェック!

リラックス効果

テアニンの効果

紅茶や緑茶に含まれるテアニンという旨味成分には、リラックス効果があると言われており、その効果について様々な研究報告がなされています。ただし、テアニンは緑茶のうまみ成分のひとつであり、緑茶の方が含有量は多いとされています。場面によって飲み分けると良いでしょう。

ほっと一息タイムにおすすめ

仕事や勉強の合間やティータイムに、ゆったりとした気持ちで紅茶を飲むことで、ほっとするひと時になるでしょう。また、香りの良い紅茶は、それだけで癒しの効果が期待できそうですね。就寝前に飲みたいときは、カフェインの入っていない紅茶(デカフェ)を選びましょう。

おすすめの紅茶の飲み方

茶葉から淹れる紅茶はもちろん、手軽なティーパックタイプもあります。最近は、ペットボトルの紅茶飲料の種類が増えてきており、中でも無糖紅茶はお茶代わりに飲んでいるという方も増えているのではないでしょうか。

紅茶は、そのままいただいて香りを楽しむのも良いですが、プラスの効果を得たい時は以下のものも試してみてくださいね。

生姜を入れる

生姜には、カラダを温める作用や殺菌作用があるため、風邪の流行る時期や寒い時期にはおすすめです。すりおろしたものをそのまま紅茶へ入れ、生姜と紅茶の良い香りを楽しみながらカラダを温めましょう。

はちみつを入れる

はちみつにも殺菌・抗菌作用があると言われているため、こちらも生姜と同様、冬の時期には良いでしょう。ただし、たくさん使うと糖質の摂りすぎになるため、ティースプーン1杯程度にするなど、量は控えめにしておきましょう。

レモンを入れる

レモンにはビタミンCが豊富です。ビタミンCには免疫機能の維持や、コラーゲンの合成に必要な栄養素です。しかし、ビタミンCは熱で壊れやすい性質があるため、ホットティーよりは、アイスティーにレモンスライスやレモン果汁を入れる方がおすすめできます。寒い時期は、生姜やはちみつの方が良さそうですね。

紅茶は、茶葉の種類により味わいが全く異なるため、自分好みの茶葉を見つけるのも楽しいですよ。普段はコーヒー派の方も、今年の冬は紅茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

【参考・参照】
(※1)坂本 彬ら 12種類の紅茶の化学成分 日本食品科学工学会誌 2012 年 59 巻 7 号 p. 326-330<https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/59/7/59_326/_pdf/-char/ja>

(※2)厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~<https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html>(最終閲覧日:2019/11/11)

(※3)厚生労働省 eヘルスネット 快眠と生活習慣<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html>(最終閲覧日:2019/11/11)

 

 

【執筆者】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

広田 千尋

管理栄養士
広田 千尋

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