ぶり|魚介類

「ぶり」は、大きさによって呼び方が変わる出世魚で、関東では「わかし・いなだ・わらさ・ぶり」、関西では「つばす・はまち・めじろ・ぶり」の順に成長し、名前が変わります。出世を連想させるため縁起物としても親しまれています。「寒ぶり」という言葉がある通り旬は冬で、脂がのって、身が引き締まっています。今回は、ぶりの栄養とその効果、おいしい食べ方についてあすけん栄養士がご紹介します。

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ぶりの栄養成分と効果

たんぱく質

たんぱく質は筋肉や内臓・皮膚や髪などカラダのさまざまな部分をつくっている栄養素です。血液の成分やホルモン・免疫の抗体・遺伝子をつくる材料にもなり、生命を維持するために重要な働きをします。

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けてくれます。不足すると、カルシウムの吸収低下や骨の異常を引き起こすことがあります。ビタミンDは不足しがちな栄養素のため積極的に摂ることを意識しましょう。

ビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用があり、動脈硬化や老化・免疫機能の低下の原因のひとつとなる活性酸素の働きを抑えてくれたり、血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑制し、血栓をできにくくしてくれたります。

ナイアシン

ナイアシンは、糖質や脂質、たんぱく質の代謝をよくする働きがあります。また、アルコール分解酵素を手伝うこともできるので、お酒を飲むときおつまみにもおすすめです。

ビタミンB6

ビタミンB6は代謝の補酵素で、たんぱく質からエネルギーをつくり、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

ビタミンB12

ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。動物性食品に多く含まれ、植物性の食品にはほとんど含まれていません。不足すると悪性貧血や神経障害などが起こることが知られています。

EPA・DHA

体内で作ることができない必須脂肪酸のひとつで、神経組織をつくる重要な栄養素です。魚に多く含まれていることが知られています。中性脂肪を下げる効果があり、心疾患などを予防するといった報告があります。

タウリン

タウリンは、魚介類に多く含まれています。人間のカラダの中では、主に筋肉に存在しており、筋肉の働きを維持するために大切な成分です。食事からのタウリン摂取の効果についてさまざまな研究がされており、生活習慣病予防にも期待が寄せられています。

ぶりのおいしい食べ方

一般には切り身で出回ることが多く、身は「刺身・塩焼き・照り焼き・西京漬け」、頭やアラは「ぶり大根・アラ炊き・かす汁」、皮は「なます」、あごの部分は「ぶりかま」と、塩焼き・煮もの・鍋ものなどの調理に向きます。

ぶりのしゃぶしゃぶ

薄くスライスしたぶりと野菜を、昆布だしのだし汁の中ですすぐように火を通して、ポン酢醤油ごまだれなどをつけて食べます。脂がよくのったぶりだからこそ、とろっとした味わいになります。

ぶり大根

ぶりに熱湯をかけ、冷水で冷やします。あとはぶりと大根を調味料で煮ると完成です。切り身でもアラでも作ることができます。臭みが気になる方は、ぶりを一度焼いてから調理や、塩を振ってしばらく置いておくなどひと手間加えてみてください。

 

古くから親しまれているぶり。どんな調理法でもおいしく、切り身は骨もないので、子どもやお年寄りでも食べやすい魚です。ぜひ食卓に取り入れてみてくださいね。

▼カロリー計算▼
ぶりのカロリー・栄養価はこちら

 

〈参考・参照〉
食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂) 増補2023年)〈https://fooddb.mext.go.jp/〉(最終閲覧日2024/11/24)

 

本記事は、2014年7月23日に公開された記事を再編集しました。(2024年11月27日)

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