第10回BLUEサークルメンバーインタビュー

今回は親子でインタビューを受けてくださいました。

のりさん、お母さま(あすけんニックネーム:深紅のダリアさん)二人で乗り越えています。

のりさん&お母さま

深紅のダリアさんのりさん

 

お母さまとのりさん、ご一緒にあすけんをご活用されているとのことなのですが、食事管理自体はどういった経緯で始められたのですか?
(お母さま)

私が植込み型の心臓を入れたことがきっかけです。手術をした時と同じ体重を維持する必要があり、塩分も1日6gまでと決められていることから食事管理を始めました。

(のりさん)

私の方はダイエットです。毎日の食事を母に合わせて作っているので、どうしてもうす味になります。そうすると物足りなくてつい食べ過ぎてしまい、体重が右肩上がりとなっていました(笑)。また、エンジニア関連の仕事をしているので、気づくと全然動いていないという日も多い傾向にあり、母が1日5000歩から10000歩あるくことを始めたので、それに付き添い私も一緒に歩き始めました。その後、食事も管理してみようと良いアプリを探し始めたところ、あすけんをみつけ、実際に始めてみたという流れです。

お母さまはもう長くご病気と過ごされているのですか。

(お母さま)

今からだいぶ前になりますが、30代後半のある日、突然呼吸が出来なくなって救急車で運ばれました。原因は拡張型心筋症でした。この瞬間まで自分の心臓が悪いとは想像すらしたこともなく、驚いたと同時にショックでもありました。しかし、担当してくださった医師の処置がとてもよかったので、その後はペースメーカーを入れてはいたものの、日常生活になにも支障はありませんでした。スポーツクラブに行ったり、お酒を飲んだり、車も運転して各地のおいしいもの巡りをしたりしていました。しかし2016年に再度倒れてしまい、入院して植込み型補助人工心臓にする手術をしました。現在は心臓移植の順番を待っている状況です。

のりさん②※拡張型心筋症:心臓は全身に血液を供給するポンプのような役割をもっていますが、その心臓の筋肉の収縮力が何らかの原因で弱くなり、心臓が次第に拡張していく病気です。遺伝やウイルス感染が主な原因と考えられていますが、明らかな原因はわかっていません。全身への血液供給がうまくいかないため運動時の息切れや疲労感が起こり、症状が進行すると夜間・安静時の呼吸困難、むくみ、不整脈などがあらわれます。拡張型心筋症の治療には塩分制限が非常に重要と言われており、軽症の場合は1日約7g以下、重症の場合は1日約3g以下の塩分制限が必要になります。(公益財団法人難病医学研究財団Webサイト等参照)

 

あすけんは先ほどのりさんが見つけられたとおっしゃっていましたが、お母さまはどのように使い始められたのですか。

(のりさん)

母の食事管理が必要になってから2年ほどは、私が食品成分表を参考にして母の食事管理をしていました。あすけんを見つけたのは食事管理を始めてから3年目になる頃で、まずは母の食事を私があすけんに記録するところから始まりました。今では母が自分であすけんに食事を登録しています。

あすけんをご自身で使い始めて何か変わりましたか?

(お母さま)

最初息子が使っているのを見ていて、カロリーも分かるし塩分の目安にもなるし、あすけんには画像解析などもあるので自分でも入力できそうだと思い、使い方を教えてもらいました

食事を選択する自由が生まれました。自分で入力を始める前は、実はそこまで食事管理を細かく気にしていませんでした。「こってりしたものを食べるのをやめ、なんでも薄味にしておけば大丈夫だろう。」ぐらいの考え方で取り組んでおり、塩分についても、食品成分表を参考に自分で計量して1日の塩分量を計算してはいましたが、体調が良い日には食べ過ぎてしまうこともありました。体重増加で主治医に注意されたこともあります。そうした生活を続けていた結果、あいまいなままざっくりと「これはカロリーが高そうだから…」「これは塩分が分からないから…」と考えて諦めざるを得ないことが増え、どんどん選択肢や楽しみがなくなってきてしまいました。

しかし、あすけんに記録するようになってからは「あとこのくらいの塩分・カロリーならとっても大丈夫だ。じゃあ今日はハンバーガーを食べよう!」などと考えられるようになりました。逆の日もあり、「今週はこれを食べに行ったから残りの日はすこし頑張って調整しよう!」などと、食べ過ぎたときも前向きに考えられています。これまでいつも「がまんがまん…」と思ってきましたが、あすけんを使い始めてから楽しいことや美味しいものも取り入れることができるようになりました。

あすけんで「食の選択の自由ができた」と言っていただけてとてもうれしいです。持病の管理の方にもなにか良い影響がありましたか。

(お母さま)

体重管理・塩分管理自体がとてもうまくいっていますよ。以前は家にあった材料を全部使って調理したりもしていましたが、あすけんを使い始めてからは食材の分量を気にするようになり、2人分を量るようになりました。栄養素グラフも毎日チェックしていて、食材を購入するときにも考えながら購入するようになりました。

 

塩分の制限についてはどのような工夫をされていますか?

 (お母さま)

のりさん③塩分1日6gを守るには1食約2gに抑えなければならないので、家で使う調味料はすべて減塩のものに変えました。香辛料やダシも活用しています。うまみ成分やニンニクなどの風味も取り入れ、塩分が少なくても満足できる味を目指しています。

お刺身などにお醤油を使いたい場合には、100均で見つけたスプレー式の醤油さしを活用しています。2回くらいスプレーしてワサビを使えば、十分に美味しくいただけます。また、以前はソース焼きそばが大好きでしたが、付属のソースを使わず、家でとったダシを使って海鮮焼きそばにするようにしてからは、そちらの方が好きになりました。ラーメンの場合も付属のスープは使わずに減塩の鶏がらスープなどを利用し、スープは自分で作るようにしています。

 

本当にいろいろ試行錯誤されたのですね。他にもなにか工夫されていることはありますか?
 (のりさん)

自炊の場合は他にも例えば、ホワイトソースは無塩バター、小麦粉、牛乳で手作りしたりしています。減塩のコンソメを使えば、シチューやグラタンなどいろいろな洋食系の料理に応用できます。また、ダシは業務用スーパーで利尻昆布や鰹節、いりこを買ってきて自分で引きます。うす味でも十分に風味・旨味を感じられて美味しくいただけます。それから梅干しや佃煮は三島食品のものを取り寄せています。入院したときに病院の食事で出されていたのですが、塩分が調整されているとは思えないほど味が良かったからです。そのほかは、「いぶしぎん」という家庭用燻製機の活用ですかね。市販のハムやベーコンなどは塩味が強く食べられないため、「いぶしぎん」で鶏の胸肉や豚肉を燻製にし、代用しています。スーパーの半額品でよいのも大きく、他の減塩に必要な製品を購入する費用の補助にしています。

(お母さま)

外食をするときには、個人で経営されているお店でしたら、焼肉はタレを付けずにワサビをいただいたり、ソーセージなどは一度湯引きしてから焼いてくださるようお願いしたりしています。頻繁に通っているお店では減塩で調理をしてくれるところもあります。最近は、少しなら融通を利かせてくださるお店が増えたと感じています。うす味に慣れてくると、素材そのままの味が分かって美味しいものですよ。

(のりさん)

ちなみに、あすけんで出る栄養素の過不足も、翌日の献立の参考にしていますよ。

減塩の工夫


すごいですね!他のあすけんユーザーさんたちのなかにも、この記事を読んでどれかやってみようと思われる方がいらっしゃるように思います。他方、それでも舌が慣れてつい塩分を取りすぎてしまったということはないのでしょうか?

 (のりさん)

1か月に最低でも1回は味覚の調整日を設けるようにしています。外食をしたり少し濃いめの味が続くとそれに慣れてしまい、気を付けていてもいつの間にか1日の塩分量を超えてしまうことがありました。母が退院してから、どうしたら塩分を取りすぎているという感覚を理解できるのかを考えた結果、味覚の確認を兼ねて調整日を設けました。調整日には全ての食材や調味料の分量をはかり、味を薄めに調理して自分の舌を確認します。自分の感覚が今どのくらいなのかを確認し、正しい分量の味覚の基準値を忘れないようにしています。

今は健診日から3日間は外食をして良い日、その翌週は好きなもの、食べたいものを食べてよい期間、そして翌々週を調整日にしています。この習慣のせいもあってか、外食したり好きなものを食べたりする日があっても、病院の検査結果は今のところそれほど悪い状態にはなっていないように思います。

それは良いアイデアですね!塩分過多を未然に防ぐようにしているのですね。本当に素晴らしい工夫ばかりで驚いているのですが、いやになったりしたことはないのでしょうか。

 (のりさん)

あすけんの食事記録も減塩の工夫も、ハマりだすと結構ハマってしまう性格のようで、実は結構楽しんでいます。別に暮らしている妹がいるのですが、帰省の際に私と母の食生活をみて興味を持ち、妹もハマるとかなり凝るタイプなので、私たちよりも更にストイックに食事の管理をしているようです(笑)。

 

たくさんの減塩の工夫をご紹介いただきました。(*^-^*)

今回ののりさんとお母さまのインタビューでは、実際に行っている減塩の工夫をたくさんお伺いすることができました。味覚の調整日については、特に塩分の制限が無い方でも、自分の味覚がどうなっているのかを知るために取り入れてみるとよいかもしれませんね。

塩6gインタビュー後に実際に食塩6gを量ってみましたが、一般的な大さじの約半分、。単純に目でみると比較的多く使えそうと感じますが、例えば濃いくち醤油大さじ1杯の形になると、そこに3g弱の塩分が含まれているようです。
もちろん銘柄にもよるのですが、形を変えて考えると、自分も意外と塩分を取りすぎているのではないかと思いました。ノリさんたちとのお話を機に、私も日常生活の中で塩分量をもっと気にしてみようと思います。

最後に、あすけんを使うことで食事に選択肢が生まれたとおっしゃって下さったことが、私たちにとっては本当にうれしかったです。制限をすると考えるのではなく、決まった範囲の中で自由でいるということは何ごとにも大切ですね。お母さまは「深紅のダリア」というニックネームでみんなの日記も公開されています。気になった方は是非そちらもご覧になってみてください。

これからも一緒に楽しんで、健康管理していきましょう!また新しい工夫を発見されたら教えてくださいね。

ページトップ